この小説のご使用方法
この小説は多人数で書かれています。1話書いたら、次の人がその内容を引き継いで次の話を作ります。
次の人は前の内容に矛盾のしないように書かなければなりません。その様がリレーのように見えるので、連続リレー小説と呼ぶことにしました。
またもう一つ、タグに設定されている言葉を必ず文中で使うというルールを設定しました。
どこに使われているか探してみてください。
もくじはこちら
魅玖
なんとなく魅玖に付いてきたわけだが、結局ここはどういった場所なんだろうか。
未だに自分のペースがつかめない。ここは消費者金融のテナントが複数入り込む、小汚いビル。
そのビルにたたずむ一室が閻魔丘だった。
魅玖も魅玖とて、自分に「嘘をついてる」なんて言っていたが、それ以降詳しく話さない。あえて例えるならば、占いのお店がこんな感じなのかもしれない。
受付はニヤニヤしたオヤジだったけど。
交互に質問しあって、ついに魅玖から最後の一問。
「あたしの嘘に気づいた?」「・・・いや。」
気づくわけがない。
そもそも魅玖が何を考えているのかさえ・・・。昔は思ったことがあれば、素直にぶつけてくる奴だったのに。
今は何かこう、本音を隠すようなまわりくどいことばかり言う。「不思議系」という言葉がぴったりの女の子になってしまった。
「じゃあおしまい!」
そもそもこのビルでわざわざ質問をし合う意味があったのか。無邪気な顔をしている彼女だが、意図が読めない。
私が一番気に入らないのは、そんな不思議な魅玖のことが、いちいち気になってしまうことかも知れない。
「お嬢ちゃん、そうやって嘘つくと閻魔様に舌抜かれるでよ」
唐突にそんな声が聞こえたので一瞬びくっとした。受付のニヤニヤしたオヤジが会話に入ってきたのだ。
「やっぱり嘘つくと不幸になるんですか?」
魅玖が返事をした。
「当たり前だよ。世の中正直が一番だからね。」
ペラペラの服に、ニヤニヤの顔。それでいてまともなことを言うこのオヤジもよくわからない。
「でもこれ以上あたしが不幸になることなんて無いもんなぁ。」
「ここの名前知ってるでしょ?閻魔様がいる丘なんだよ。正直を誓いあって、お互いの絆を深める場所なんだよ。」
魅玖とオヤジが言い合う。
「別に深めあう絆なんてないもん。」
言い合いの果てに魅玖から出たのはこんな一言だった。薄々感じてはいたが、軽くショックな一言だ。
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