この小説のご使用方法
この小説は多人数で書かれています。1話書いたら、次の人がその内容を引き継いで次の話を作ります。
次の人は前の内容に矛盾のしないように書かなければなりません。その様がリレーのように見えるので、連続リレー小説と呼ぶことにしました。
またもう一つ、タグに設定されている言葉を必ず文中で使うというルールを設定しました。
どこに使われているか探してみてください。
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閻魔丘
「名は体を表す」とはよく言ったものだ。魅玖は美人だ。恐らく誰が見ても美人だと感じるだろう。
それでいて、人が思いつかないようなことを言い出したりする。石の種類の一つで「玖」という黒色の美しい石があるそうだが、魅玖のための言葉とさえ思ってしまう。
「漫画とかアニメって、なんで女に『~だわ』みたいな喋り方させるんだろうね。実際見たことないし。」
誰が一緒だろうと彼女のペースは変わらない。そりゃあ、そうだ。じゃなきゃ、こんな携帯の電波も入らないようなところで暮らしはしないだろう。
街中で暮らせば男にも友達にも苦労しないだろうが、彼女にはそういった興味は微塵もなさそうだ。
「手紙・・・どうしたの?」 「あぁ、あれね。別に・・・」
自分で送っておきながら、なんだそのリアクションは。
思えば彼女はいつもそんなところがある。あの時だって・・・
「なぁ、閻魔丘って知ってる?」 「はい?」
「閻魔丘って知ってる?」
唐突に質問をしてくるのも彼女の特徴だ。おしゃべりではないが、思いついたことはすぐ投げかけてくる。
「えんまおか?何それ。」
「嘘がつけないパワースポットだって。カップルで行って、お互い20個ずつ質問 するの。 それでお互いに嘘がひとつもないって分かれば結ばれるんだって。」
「何それ。」 「でも、嘘が一つでもあると不幸に遭うんだって。おもしろくない?」
彼女はいつもどこでそんな話を仕入れるのだろう。
テレビ番組でそんな話題でもやっていたのだろうか。それに閻魔丘なんて聞いたこともない。
「で、それがどうしたの?」
「行こうよ。あたし、あんたにいくつか嘘ついてるから。」
意味がよくわからない。
「嘘ってなによ、大体カップルじゃないし・・・別に・・・」
そう言いかけてたところに、さえぎる形で魅玖が続ける。
「だーから、あたしあんたに嘘ついてることがあるの。あんたにそれを話す気もないんだけけどさ。」 「どういうこと?」
「もう!」
難しいことを言って、それが伝わらないとすぐにぷーと膨れる。面倒くさいところだけ、女の子っぽい。
「だって、嘘がつけないパワースポットと、嘘を貫き通すあたし。どっちが勝てるか興味あるじゃん。」
「あぁ。」
「この世は矛盾だらけだ」、なるほど、手紙の意図がなんとなくわかった。嘘が一つでもあると不幸になるとか言っていたが、魅玖自身、そこはどうでもいいようだ。
やはりワイルド・・・なのか。
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