足と手の間にムササビの様な布を張り、上空をものすごい速さで滑空するウイングスーツ。ベースジャンプと呼ばれる非常に危険なエクストリームスポーツの為に開発されたアイテム。スカイダイビングのように飛行機上からではなく、崖や渓谷、ビルなど地上の高い場所から飛び降りるというもの。時速約100kmの速さで、断崖などの障害物とすれすれの状態で飛ぶためにそれらと衝突したり、着陸直前10秒~15秒前にパラシュート開くなど、エクストリームスポーツの中でも、命を落とすリスクと隣り合わせの特に危険なものとして知られている。カージェットエンジンなどの推進器を付けるなどして速度、飛行時間を増大させる「ウイングパック」と呼ばれるタイプも存在する。
最終的にはパラシュートにより減速して着地する。またパラシュートを使用しない方法も考案されているが、実用化は困難である模様。その歴史は意外に古く、1930年代からすでに欧米で研究開発されていた。しかし、その過程で多くの死者と犠牲者を出してきたのも事実である。命をかけて未開の分野を開拓した先人たちの、あくなき欲望と情熱の探究には脱帽すしかない。ウイングスーツの使用には、ライセンスを持つ現役のスカイダイバーで500回以上のスカイダイビング経験が必要。このことからもみてもいかに危険なスポーツか想像できる。ノルウェーのTrollstigenでは、急な山の斜面を利用したウイングスーツの滑空が盛んに行なわれているが、滑空ルートの途中にヘアピンカーブがあり、そこでは通行人の誰もが、ものすごい速さで通過していくウイングスーツを眺めることができる。
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