決闘で死んだ若き大数学者と同名の「生きた化石」
壮絶な人生を送った数学者ガロアと同じ名前が付けられた昆虫がいるのをご存じですか?名前はガロアムシ。ってそのまんまですが、この昆虫と数学者ガロアは直接の関わりはありません。
ガロアムシの別名は「生きた化石」。そうシーラカンスやオウムガイと同様に、太古の姿そのままの原始的な昆虫なのです。見た目はハサミのないハサミムシ。お尻はちょっとカワゲラの幼虫に似ています。体色は全体的に白っぽい褐色で、山間部の渓流沿いなどの石の下や朽木の下などに棲息している昆虫です。生きた化石と呼ばれる割に、生態や分布に不明な点が多い上、知名度も低い「謎の昆虫」。以前、奥秩父で沢登りした時、テントを張ろうと石をどかしたところ、白っぽい虫がサササーと逃げたのを「もしかしたらガロアムシかも」と思ったことがありました。川崎市宮前区の旧帝国陸軍の敷地跡でも、子供とダンゴムシ探しをしていた時に一瞬、「あ、ガロアムシだ」と思った事件がありました。
外見はドン臭そうに見えますが、けっこう逃げ足は速く、逃走先の落ち葉や石の下を探っても見つからず。2回のニアミスでは結局、本当にガロアムシだったかどうかは分からずじまいでした。資料が乏しいことから、きっと山奥で細々と生きながらえているんだろうと思われがちですが、飲食店の倉庫で発見されたこともあるそうです。
本気で探してみれば、意外と身近な環境でも見つかるかもしれませんよ。生きた化石にロマンを感じる皆さん、ぜひガロアムシ探しに挑戦してみてください。ガロアムシという名前は、日本で最初に発見したフランスの外交官、E・ガロアの名前にちなむのだとか。同じフランス人だけど、数学者のガロアとの続き柄は不明です。
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