2014年7月28日 今日の東電プレスリリース

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2号機サブドレンのセシウム134濃度が前日の10倍以上に急上昇。「今後、傾向を監視」と発表

7月28日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。

 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年7月28日
www.tepco.co.jp  
[New!]今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
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2号機サブドレンのセシウム134濃度が上昇。隣接する浪江町の気象庁データでは、約1週間降雨なし

「原子炉建屋等への地下水流入に対する抜本的対策」の検討状況について|東京電力 平成24年6月18日より
「原子炉建屋等への地下水流入に対する抜本的対策」の検討状況について|東京電力 平成24年6月18日より

※2号機サブドレンにおいて、7月28日に採取した水のセシウム134の分析値が450Bq/L〔前回分析値(7月27日採取):43 Bq/L、過去最高値(平成26年3月4日採取):1,400Bq/L〕に上昇。今後、傾向を監視する。なお、その他の分析結果については、前回と比較して大きな変動はない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年7月28日

 サブドレン等核種分析結果|東京電力 平成26年7月28日
www.tepco.co.jp  

この資料での測定単位は1cm3あたりの数値なので、「4.5E-01」と記載されている。1Lあたりに換算すると450Bq/Lになる。

これまで地下水の放射能濃度が急上昇した際には降雨の影響と推定されることが多かったが、気象庁の「浪江」における観測データによると7月22日以降、約1週間にわたって降雨ゼロを記録している。

気象庁「浪江」における観測データ
気象庁「浪江」における観測データ
 浪江 2014年7月(日ごとの値) 気象庁|過去の気象データ検索
www.data.jma.go.jp  

前日の10倍以上を記録した今回の測定結果の原因がどこにあるのか、注視したい。

サブドレンは原発事故とは関係なく、以前から原子炉建屋・タービン建屋周辺に設置されている井戸状の立坑で、その設置目的について東京電力は次のように説明している。

■サブドレン装置は、建物周囲の地下水が建物内へ侵入しないようサブドレンピット内に設置してあるポンプにより地下水を汲み上げ、地下水位のバランスをとるために設置している。
■地下水の建屋への流入抑制対策としては、サブドレン水を汲み上げ、地下水位を低下させる策が必要。

「原子炉建屋等への地下水流入に対する抜本的対策」の検討状況について|東京電力 平成24年6月18日

1号機~6号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年7月22日午前9時50分~)

◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年6月16日午後2時42分~)

◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動(4号機原子炉建屋および共用プール建屋の天井クレーンと燃料交換機の年次点検により、一時中断)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆5号機
・冷温停止中
・残留熱除去系による原子炉停止時冷却運転(炉心冷却)と非常時熱負荷運転(使用済燃料プール冷却)を交互に実施中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

地下水バイパス 26日実施の海洋排出後の海水サンプリングについて続報

採取場所「南放水口付近」は1~4号機放水口から南側約330m地点 「福島第一原子力発電所 地下水バイパス排水に関するサンプリング結果」より
採取場所「南放水口付近」は1~4号機放水口から南側約330m地点 「福島第一原子力発電所 地下水バイパス排水に関するサンプリング結果」より

同日、この際の南放水口付近の海水についてサンプリングを実施し、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年7月28日

報道配布資料で発表されたデータは以下のとおり(NDとはいえ、前回の測定結果は公表資料に記載されていない)

南放水口付近注1海水(排水路出口付近)(T-2)

採取日:   平成26年7月26日
状況:    排水中
採取時刻:  11:15
セシウム134:ND(0.77)
セシウム137:ND(0.76)
全ベータ:  14
トリチウム: ND(1.7)

注1:1~4号機放水口から南側約330m地点(T-2)
*NDは検出限界値未満を表し、( )内に検出限界値を示す。

福島第一原子力発電所 地下水バイパス排水に関するサンプリング結果 (南放水口付近)|東京電力 平成26年7月28日

 福島第一原子力発電所 地下水バイパス排水に関するサンプリング結果 (南放水口付近)|東京電力 平成26年7月28日
www.tepco.co.jp  

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

平成26年7月27日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年7月28日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年7月28日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年7月28日

1~4号機タービン建屋東側

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年7月28日

1~4号機サブドレン観測井

新規事項なし

冒頭に別記された2号機サブドレンのセシウム134濃度上昇の他に大きな変動はないという意味と理解すればいいのだろうか?

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年7月28日

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年7月28日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太

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