かつて「家系ラーメンはことごとく『韓国海苔』と判定される」というドラマチックな展開で、(わたしにとっては)隆盛を誇ったGoogle画像検索。
しかし最近めっきりラーメンを見てくれないGoogle先生は、レンゲを乗せたラーメン写真は「スプーン」、レンゲのないラーメン写真は「ボウル」としか判定してくれません。
「Googleレンズ」に背を向けて
前回コメントをいただいた「Googleレンズ」の存在は知りつつも、あんなに楽しかったラーメン写真によるGoogle画像検索がなぜここまでの凋落ぶりを見せているのか気になり…いっそ滅びゆく様(さま)を見届けてやろうじゃないかと言うことで、今回も懲りずに実行してみました。それではどうぞ。
「くりや製麺直売所 」さん(長泉町)
感染防止のための合理的なシステムからもその繁盛ぶりをうかがわせたこちらのお店。この写真にはレンゲもあるし大きな海苔も乗っているので「スプーン VS 韓国海苔」の激しい闘いになるかと思われましたが…
スプーンの圧勝でした。
「石川屋」さん(熱海市)
とある休日、妻が「お昼はワンタンメン以外食べない」と言い張ってテコでも動かないので、この「Googleラーメン」シリーズの原点である熱海の石川屋さんへ行ってきました。
今のご時世、店内では客の誰もが会話を控えているなか、やっとデートに漕ぎつけたっぽい男性が女の子のプライバシーにグイグイ立ち入ろうとしていたので「今日中にフラれるといいね!」という邪念が浮んだものの、高倉健さんも愛したこのお店の味には影響ありません。でも画像検索結果はというと
やっぱりスプーンなのでした。この写真、レンゲほぼ見えてないのに…
「中華亭」さん(伊豆の国市)
味のしっかりしたチャーシューやワンタンの具がお肉好きのハートをつかむ人気店。まだ若い男性がテキパキと仕事をこなしていたので、来年大河ドラマの影響でお客さんが押し寄せても見事にさばいてくれるでしょう。
そんなこちらのワンタンメンはどう判定されるでしょうか?
スのプーン。
嗚呼、Googleラーメンはもうダメなんだな…「体力の 限界ッ」と言って息を詰まらせた大横綱・千代の富士の引退会見を思い出しながら、最後はわたしのラーメン人生の原点であるこのお店へ。
「鈴福」さん(三島市)
通い始めて25年以上になろうかというこのお店で、わたしは「手打ち(ラーメン)と小ライス」と「ごちそうさま」しか喋ったことがないのですが、この日は午後2時を過ぎていたこともあり、腹が減りすぎて「手打ち大盛りと小ライス」なんてガラにもないことを口走ってしまいました。
結果、ライスとのバランス的には普通盛りにすべきだったなと思いつつも、原点の味に文句はありません。さて、今日最後のGoogleラーメンは?
「きれいなスプーンだろ、ウソみたいだろ、Googleラーメン死んでんだぜ、それで」
「タッチ」の上杉達也の声で我を失うしかないわたしがそこにいました。
試しに過去の「レンゲなし写真」で画像検索をしたところ、どちらも海苔がしっかり乗った家系ラーメンであるにもかかわらず、Google先生は迷わず「ボウル」という結果を返してくれました。
もう終わりだね、君が小さく見える
浅草の合羽橋の人よりも道具に夢中なGoogle先生と、今後どうやって付き合っていくか、考える時が来ているのかも知れません。