ご当地ナンバーと地名のイメージ

monomoney

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この間すれちがった高級外車のナンバーが「世田谷」だったので「あらステキ!」と思いました。そういえばあるんですね、世田谷ナンバー。

むかし世田谷の端っこに住んでいた筆者にとっては「大家さんが畑作農家」「お土産を大家さんに届けに行っても門の中には入れてもらえない」のが「俺の世田谷」なのですが(笑)、世間一般のイメージとしては「世田谷」と言えば成城とか二子玉川のような高級住宅街ですよね。

世田谷区民は以前は「品川」ナンバーでした。しかし「ご当地ナンバー」が全国各地で認められるようになると、「世田谷」ナンバーは2014年に新設されました。世田谷区民にとっては「品川区と一緒にしないでよ」という感じなのでしょうか。

わたしが見たのはBMWでした。いずれにせよ高級外車が似合います。
わたしが見たのはBMWでした。いずれにせよ高級外車が似合います。

そもそも「ご当地ナンバー」って?

本来クルマのナンバーは基本的に「運輸監理部や運輸支局、自動車検査登録事務所の名称(所在地名)」を表示しています。なのでナンバーが3つ4つある都道府県もあればひとつしかないところもあります。

しかし2006年から自動車検査登録事務所等がないところの地名もナンバーとして登録できることになり、これまでに30のご当地ナンバーが新設済み。さらに2020年から新たに17のご当地ナンバーが誕生します。

その合計47のご当地ナンバーを見ていると、いくつかのパターンがあることがわかります。ちょっと見ていきましょう。

こっちの方がカッコいい

先ほども紹介したようにナンバーに記載される地名は自分の住所とイコールではありません。

たとえば宮城県のクルマはそれまですべて「宮城」ナンバーでした。でもはっきり言って「仙台」という地名の方が有名だしカッコイイので、仙台市民としては「仙台」ナンバーがいいなあ、と思うのも理解できます。

その結果めでたく新設された仙台ナンバーを筆頭に「こっちの方がカッコイイじゃん」パターンを集めてみました(個人の独断です)。

有名観光地のナンバーが続々

※表示の順番

ご当地ナンバー名(旧ナンバー名)対象の地域

知床 (北見・釧路)斜里町、中標津町、標津町、羅臼町など
仙台 (宮城)仙台市
平泉 (岩手)一関市、奥州市、平泉町など
金沢 (石川)金沢市、かほく市など
伊豆 (沼津)熱海市、三島市ほか伊豆半島全域
富士山 (沼津・山梨)富士宮市、富士市、御殿場市、富士吉田市、富士河口湖町、山中湖村など
伊勢志摩(三重)伊勢市、鳥羽市、志摩市など
飛鳥 (奈良)橿原市、田原本町、明日香村など
出雲 (島根)出雲市、奥出雲町、飯南町

筆者が「伊豆」ナンバーなのでえこひいきしてこの仲間に入れてもらいましたが、世間のイメージはどうなんでしょうね?いま伊豆の中でいちばん賑わっている熱海を神奈川県だと思っている人も多いですし。

さらに伊豆大島や三宅島などの伊豆諸島が品川ナンバーだというのも有名な話。こちらこそ都県を超えて伊豆ナンバーでいいような気がしますけど。

「知床」「平泉」「富士山」は世界遺産ですから!当然ですね。

「金沢」も宮城・仙台と同じ「県名よりブランド力がある」というパターンです。

「飛鳥」もカッコいいですね~(某ミュージシャンは昔この字でしたがいまはアルファベットなので念のため)。

同じく昔はなかった「湘南」ナンバーもカッコいいブランド地名なのでこの仲間のイメージがありますが、1994年に湘南自動車検査登録事務所が開設されたので、本来のルールどおりにナンバーが新設されたのだと思います。

一緒にしないでパターン

「必死感」のある募集チラシを見てしまうとセレブ感に欠ける気も(笑)
「必死感」のある募集チラシを見てしまうとセレブ感に欠ける気も(笑)

次にご紹介するのが冒頭でご紹介した世田谷のような「一緒にしないで」パターン。

杉並 (練馬)杉並区
世田谷 (品川)世田谷区
板橋 (練馬)板橋区
江東 (足立)江東区
葛飾 (足立)葛飾区

杉並区民や板橋区民は「練馬区と一緒にされてもなあ」と思い、江東区民や葛飾区民は「足立区と一緒にされてもなあ」と思ったのではないでしょうか。区の個性って確かにありますからね。

弘前 (青森)弘前市、西目屋村
郡山 (福島)郡山市
倉敷 (岡山)倉敷市、笠岡市など
下関 (山口)下関市

これらは旧ナンバー名である県庁所在地と「ライバル関係」にある市です。ずっとハンカチを噛むような悔しい思いをしてきた末に、やっと念願叶ったという人もいるんでしょうね。

そんな「ライバル関係」には次のようなパターンもあります。

ぜってえ負けらんねえ

高崎 (群馬)高崎市、安中市
前橋 (群馬)前橋市、吉岡町

群馬県最大の都市・高崎市と、県庁所在地の前橋市はバチバチと火花を散らすようなライバル関係。ともにこれまでは「群馬」ナンバーでしたが、それぞれしっかりご当地ナンバーを新設しました。ナンバープレートでも正面切って対決です。

柏 (野田)柏市、我孫子市
市川 (習志野)市川市
船橋 (習志野)船橋市
松戸 (野田)松戸市
市原 (袖ヶ浦)市原市

千葉県で政令指定都市の千葉市を追う第二の都市は人口60万人を超える船橋市。そして48万人超の松戸市、市川市が続き、さらに41万人超の柏市と大都市がひしめいています。

この中ではひと足早く柏ナンバーが発行されました。こうなると「柏がナンバー持ってるならこっちも持つべ!そうだべ!」…方言があっているかどうかはわかりませんが、絶対に負けられない戦いがあるということでしょう。

人口こそ約27万人と少し落ちる市原市は、実は製品出荷額で全国2位を争う「工業の大都市」。第1位の愛知県豊田市もご当地ナンバーを新設したことだし、こちらにもナンバーがあってしかるべきというところでしょうね。

レッズとアルディージャ問題

川越 (所沢)川越市、坂戸市など
川口 (大宮)川口市
越谷 (春日部)越谷市

埼玉県の川口市、川越市、越谷市、もともとナンバーのあった所沢市も含めて上記千葉県の各都市と同じような関係にあると言えるので「みんなナンバーを持てて良かったね」と、行きたいところですが…

県庁所在地のさいたま市は「大宮」ナンバーのままなんです。旧大宮市とガチのライバル関係にある旧浦和市民は黙っていられないはず。これからの動向に注目です。

ブランドだけどまだ

ほかにも、以下のご当地ナンバーを申請する動きがあると言われています。

日光 (宇都宮)
鎌倉 (横浜)
熊野 (三重・和歌山)
博多 (福岡)

いずれも有名な観光地ですね。超ブランドの「横浜」ナンバーを捨ててまでつけたいなんて、さすが古都・鎌倉のプライドですね。

東京はもう打ち止めなのか?

ご当地ナンバーが今後どれくらい申請されてどれくらい認められるかはわかりません。それに、申請が通るには一応の条件があります。

・一般的に知られている
・一定以上の人口(クルマの登録台数)がある
・原則漢字2文字。例外最大4文字
・ローマ字はだめ

東京ではほかにご当地ナンバー申請の動きはないんでしょうか。「23区のブランド力」でいうと「港区」が筆頭だと思いますが、これがナンバー表示だと単なる「港」になってしまい、どこの港なのかよくわかりません。

東京都港区に住むセレブの方々は「赤坂」「麻布」「広尾」「青山」といった細かいエリア名のナンバーにしたいぐらいなのかも知れませんね。おしゃれすぎて疲れる…(個人の感想です)筆者にはやっぱり「伊豆」ナンバーがお似合いずらなー。

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