【書籍】考える力がつく本_池上彰

インターネットの普及に伴い、日本人の本離れが進んでいるようです。かくいう私も読書に苦手意識があります。メディアが普及した現代に、わざわざ本を読まなくてもインターネットやテレビの方が情報が早く情報量も多いし、と思っていました。

しかし単に情報を知っているだけでなく、「考える力」をつけるという視点で考えると、本の役割が終わったわけではないことが分かります。

新聞のホームページでは、きちんと最後まで読まずに次のページに飛んでいることが調査で分かったそうです。これでは「見ている」だけで読んでいるとは言えず、「考える力」が身についているとは言えません。

考える力をつけるには

そもそも「考える力」とは自分の中にある情報をもとに、自分なりの結論を導きだす作業のことをいいます。質の高いアウトプットをするためには、まずはインプットが不可欠というわけです。

ただ、単純にたくさん本を読めばいい、というわけでもないようです。インプットが出来たと感じたら、その情報を知らない子供に実際に伝えてみるといいそうです。

ここでうまく行かないとき、「なぜか」を考え、さらに周辺の情報を調べていく。おそらくこれが重要だと筆者は言っています。ここで知ったつもりになっていたことに気がつくことも重要だそうです。

ちなみに「わかる」という状態とは、自分がこれまで持っているバラバラの知識がひとつの理論の下にまとまったときを言うそうです(本書P47)。単純に本を読んで知識をつけていけばいいというものではなく、「考える」という作業がいかに大切かということが分かります。

著者のおすすめ本

仕事場に2万冊の本があり、読書好きと言われる著者ですが、著者なりのビジネスパーソン向けおすすめ本が「現代の自由七科」ごとに紹介されています。この筆者おすすめ本の紹介が私は一番ありがたかったです。

○現代の自由七科

1. 宗教
2. 歴史
3. 宇宙
4. 人類の旅路
5. 人間と病気
6. 経済学
7. 日本と日本人

上記の分野の基礎的なストックの知識を持つことで、日々のニュースもより深く理解できるだろう、と著者がおすすめしている本です。無数にある書籍の中から考える力を身につけるために、何を読めばよいのかと考えましたが、まずはこちらで紹介された本を読むことで、情報に対して考える力を自分も養っていこうと思いました。

※ストック:本や辞典など保存されておりいつもで見れるもの
※フロー :テレビやネット、新聞など日々流れて消えていく情報