【週刊・東北の風(仮称)】はじめます(0号)

東北の大震災はもう過去のことだと思っていませんか?

復興は少しずつ、たぶん着実に進んでいます。しかし、一歩前に進めば新しい問題がいくつも現れ、ひとつの課題を何とかクリアすればまた新たな問題に直面する——。その繰り返しというのが実態です。

「ぽたる」にアップされた最近の記事から、東北の動きをピックアップして毎週金曜日にお届けする「週刊・東北の風(仮称)」をはじめます。

大震災を乗り越えて新たな時代をつくろうとしている東北。がんばっている東北の人たちの息吹を感じてもらえたら幸いです。東北のみならず、日本中、世界中でがんばる人たちを応援してもらえたら、もっともっと幸いです。

週末には【週刊・東北の風】を。ぜひともよろしくお願いします。

今週の一枚:「2代目がんばろう!石巻」看板

「がんばろう!石巻」看板は、被災した石巻市民が自らを、そして町の人々を少しでも勇気づけようと設置したのがはじまり。将来を見通すことができずに落ち込んでいた震災1カ月後の4月11日、石巻市でもきわめて大きな被害を受けた南浜・門脇地区にたてられた。以後、「がんばろう!石巻」看板は震災の記憶を後世に伝える場所として、また慰霊の場所として歩んできた。

設置からまる5年となった2016年、写真を中心にお伝えするのは、2代目に代替わりした「がんばろう!石巻」看板の最新の様子。どんどん変化する「がんばろう!石巻」看板周辺の様子や、受け継がれていく思いについては、これからも長く別の記事でお伝えしていく予定。

陸前高田市役所近くにオープンする災害公営住宅

「庁舎の再建は最後でいい」と今もプレハブ庁舎で市政を続ける陸前高田市。その仮設市庁舎のすぐ近くに、9階建ての大きな復興公営住宅「県営栃ヶ沢アパート」がオープンする。

9階建てというノッポな集合住宅というだけでも目を引くが、この災害公営住宅は横にも大きい。2棟の建物の間の広大な駐車場に立つと圧倒される感じがするほど。この建物の完成はきっと復興のシンボルとして全国に伝えられることだろう。

しかし、立派な建物ができたからといって復興が完成したわけではない。全国の人に知ってほしい。復興はまだ半ば。課題や問題が顕在化するのはまだこれからだということを。

宮城といえば笹かまぼこ。でもそれだけじゃない老舗

仙台といえば牛タンに笹かまぼこが定番だが、笹かまぼこの名店は新鮮な魚がたくさん水揚げされる石巻・女川エリアに多い。中でも地元で人気なのが石巻市の粟野蒲鉾店。

1点ずつでも買い求めることができるので、笹かまぼこや揚げ蒲鉾、カステラ蒲鉾などたくさんの種類から自分で選んでアソートするも良し、食べながら町歩きするも良し。粟野の蒲鉾を食べていると町の人から「通」と思ってもらえるのだとか。

雄勝に誕生した木の香りのする情報交流館

人口減少が町の再生の妨げになっている石巻市雄勝地区に情報交流館が誕生した。伝えられるのは復興状況だけではない。地域の自然、歴史、伝統に少しでも触れることで雄勝を応援する人がどんどん増えてほしい。

道路情報:南三陸町防災庁舎へのルート

夏休みももう間近。被災地見学や夏祭りで東北を訪れる人が増える季節。かさ上げ工事や再開発事業が加速する東北の被災地では、頻繁に道路の付け替え工事が行われている。中には、南三陸防災庁舎のように多くの人が訪れる場所ながらアクセスが困難になっているところも。

※「週刊・東北の風(仮称)」は、東北の被災地の情報を中心に毎週金曜日に編集・アップの予定です。ご意見、ご要望等をぜひコメントでお寄せください。