遺物と写真、そして言葉に加えて、震災後の時間を発震直後、避難所、仮設住宅、街の再建といったフェーズごとに紹介するミニチュアもあった。下の写真はほぼ再建がなった街の様子。
通りには商店が並ぶ。遠くに高いビルも見える。集まって楽しげに話している人たちがいる。元気な犬の姿もある。しかしよく見ると、買い物袋を下げて1人であるく女性の表情は浮かない。道に座る老人の表情もそうだ。ポケットに手を突っ込んで歩いている若者もいる。「テナント募集」と掲げられているのは、復興を示すのか、建物の復興が成った後も入居する店舗がないことを象徴しているのかよく分からなくなる。
ここに紹介したのは人と防災未来センターの展示の数百分の1でしかない。少なく主まる1日かけて見なければ、分かったような気持ちにすらなれないだろう。
見学に訪れていた中学生の団体の姿もあった。しかし、施設内は来場者よりもスタッフやボランティアの人数の方が多かった。
元々「防災未来館」と「ひと未来館」という2つの施設だったものを、現在はひとつの施設としてオープンしているのだという。その背景には入場者の減少があるという。
人と防災未来センターのまわりには震災後に建てられたマンションやURによる賃貸住宅が立ち並んでいる。建設された時期が揃った高層住宅が並ぶ景色は美しくもあるが、生活はどうなのだろうか、と考えさせられた。
人と防災未来センターの別の壁面には「5:46 1995」の文字。その前をこども肩車した初老の男性が歩いていく。
震災から21年。阪神淡路の「震災後」は終わったのだろうか。
(人と防災未来センターの展示については、別記事としても公開します)