8日目(1月16日)
活動のほぼ最終日、宮古へ向かう。去年の秋にお祭りで訪ねた宮古市街のたたずまいが懐かしい。クルマを駐めて、何カ所かぶらぶら歩いたが、前回行かなかった田老のたろちゃんハウスが気にかかる。浄土ヶ浜や三王岩など、ぜひ立ち寄りたいスポットをあえてパスして、田老、そしてさらに10キロほど北の仮設商店街たろちゃんハウスへ向かった。ここにはどんこの唐揚げ丼の善助屋食堂さんや、田老の情報を写真と文章で発信し続けている津田写真店さんがある。
善助屋食堂さんがお店再建を決められたことは、今回のツアーでも指折りのうれしいニュースだった。ツアーの実質最終日とあって、気が急いてしまう。とにかく少しでもいろいろ見て行きたい。
一番のお楽しみだったどんこ唐揚げ丼をテイクアウトしてまで、田老の新しい町を見て回った。海からは離れた高台に造られつつある、ひな壇のような造成地。平坦地こそ商業の中心と数軒が進出したものの、後続がなかなか登場しない町の中心部。そしてその町で教えてもらった話。平坦地では初めて商売を再開した津田時計店さんでは1時間以上も町の様子を教えてもらった。
「田老に来るのはだいたい1年に1回、定点観測みたいな感じなんです」と津田さんに言いながら、「あっ、これ違う」という思いを押さえきれなくなった。初めて訪れたのは震災の1年半後だったが、それから何度も足を運んでいるのだから、その経験を伝えていくことは、自分自身の仕事なのだと。
被災された方だからこそ伝えられることがある。もちろんそれが最も大切なことだろう。
震災から時間を経て、その場所に入った自分たちにも、その土地が変化していくのを目の当たりにして感じるものがある。
伝えるって何だろう。何を伝えるんだろう。伝える人って何者なのだろう。
という質問になら、ある程度クリアにその人なりに応えることができるだろう。では、この問いにはどうか。
震災って何だろう。どうして私の身の上に降り掛かったの? どうしてそれを受け入れなければならないのだろう。
答えられないよね。だけど、ほとんどの人たちは笑顔でいる。付き合いが深まるのとともに、笑顔と同じくその向こうにあるものが伝わってくる。伝わってくる。だって同じ人間だから。
辛かったんだよ。生きていなければよかったって思うことだってあるんだよ。そう思っている人たちが笑顔で迎えてくれる。
「防災の心」。それは、その先に、すぐその先に見えている。
9日目(1月17日)
前日は大船渡温泉に宿泊し、午前中は大船渡と陸前高田を回り、Hさんに借りた車をお返しし、お礼代わりにK-portに行き、とはいえ送り迎えをお願いすることになって恐縮しながら、だけど、自分にもできることがあるとちょっと自信みたいなことも感じながら、2016年早春の東北を後にした。
費用
◎交通費 42,520円
[電車]32,520円
・三島=気仙沼往復乗車券 17,280円
・三島=一関新幹線特急券
@7,620×2=15,240円
[ガソリン代]
・10,000円(オカモト プリカ)
◎宿泊費 41,414円
1日目 鈴木屋旅館(素泊まり)3,000円
2日目 鈴木屋旅館(素泊まり)3,000円
3日目 南三陸ホテル観洋(二食付き) 13.500円
4日目 村田屋旅館(朝食付き)7,000円
5日目・6日目(民泊)0円
7日目 船宿海太郎(二食付き) 7,744円
8日目 大船渡温泉(素泊まり)7,170円
◎食事代 6,570円
1日目 昼食(みつわ飯店)650円
1日目 夕食(てるてる小澤)1,500円
3日目 昼食(大漁丸)1,500円
5日目 昼食(金華楼)800円
7日目 昼食(道の駅やまだ) 420円
8日目 昼食(善助屋食堂) 800円
9日目 昼食(K-port) 900円
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■合計
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交通費 42,520円
宿泊費 41,414円
食費 6,570円
------------------------- 100,504円