12月29日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクDから海洋排水を開始
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクDの当社および第三者機関による分析結果[採取日12月19日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認。(既出)
12月29日午前9時59分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時15分に漏えい等の異常がないことを確認。
地下水バイパス 海洋排出の準備進む(通算96回目)
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ2の当社および第三者機関による分析結果[採取日12月17日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
12月28日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/20 12/21 12/22 12/23 12/24 12/25 12/26 12/27
E-1 2,900 2,500 3,000 2,500 3,100 3,100 3,600 4,000
浪江雨量(mm)0.0 0.0 0.0 3.0 9.0 0.0 0.0 0.0
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/20 12/21 12/22 12/23 12/24 12/25 12/26 12/27
G-1 280 270 290 170 230 190 150 ND(110)
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 3.0 9.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/20 12/21 12/22 12/23 12/24 12/25 12/26 12/27
G-2 930 520 450 440 600 750 410 350
浪江雨量(mm)0.0 0.0 0.0 3.0 9.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-3】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/20 12/21 12/22 12/23 12/24 12/25 12/26 12/27
G-3 560 850 600 1,000 1,100 820 770 930
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 3.0 9.0 0.0 0.0 0.0
【注目】1~4号機タービン建屋東側 地下水観測孔No.2-5の全ベータが大幅に増加
◎日報に新規事項の記載なし
<過去最高値>地下水観測孔No.2-5
全ベータ:400,000Bq/L(2015.12.28)
これまでの最高値:250,000Bq/L(2015.12.21)
【注目点】1週間のうちにほぼ倍に増加。しかも地下水観測孔No.2-5は「採水器による採取であるため、γ測定は実施せず。全βは参考値としてろ過後に測定」とされている。ろ過前の数値はさらに高いと見ていい。海側遮水壁の閉止により1~4号機タービン建屋東側の地下水位は上昇している。土壌中の汚染の移動など、何らかの関連が考えられる。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
最終更新: