2015年6月13日 今日の東電プレスリリース

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6月13日(土曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月13日
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【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
 【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
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1号機原子炉格納容器ガス管理設備B系が電圧低下で監視不能の続報。直ったと思ったら半日でまた監視不能状態に。別系統が動いているからとはいうものの、非常に心配な状況

当該設備(B系)の状況を確認したところ、検出器を冷却する装置の冷却機能が一時的に低下したため、検出器の機器保護のため高圧電源の印加が遮断され、機器異常が発生したものと推定。なお、冷却装置の機能一時低下の要因としては、冷媒中の不純物が凍結したことに起因する詰まりが発生したためと推定しており、凍結した不純物が溶解すると、冷却装置の機能が回復したため、一過性のものと考える。

6月12日午後4時45分に、冷却機能回復後に採取したデータに異常がないことを確認したことから、当該設備(B系)は監視可能な状態に復帰(使用可能)したものと判断。

その後、6月13日午前4時36分に、キセノン135の指示が1.34×10-3Bq/cm3からダウンスケールとなったことから、当該設備(B系)は動作不良と判断。今後、原因の調査および当該設備(B系)の点検を行う。なお、当該設備(A系)については、正常に動作しており、プラントデータ監視に支障はない。

また、プラントデータ(原子炉圧力容器底部温度、格納容器内温度等)の異常、モニタリングポスト指示値の有意な変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月13日

1号機原子炉格納容器ガス管理設備の故障で、直ったと思ったら半日でまた監視不能状態に。別系統が動いているからとはいうものの、非常に心配な状態。

今回はキセノン135が1立方センチあたり1000分の1.34から、測定値が低下したということだが、事故の年の11月には2号機で微量のキセノンが計測されたことに関して、東京電力が「核分裂反応が起き、臨界が一時的に一部の場所で継続した可能性もある」との見解を示したことが報じられたこともある。

※ ページ末尾参照

増設多核種除去設備の制御回路で地絡。重故障警報も発生したため、設備を停止 <続報>3系統中2系統で運転再開

重故障警報(増設多核種除去設備から処理水を受けてタンク側へ払い出す設備(受け払い設備)の異常を検知した際に発報する警報)の発生原因について調査したところ、6月11日に行った受け払い設備およびタンクの水位等を監視する装置のプログラム変更作業による影響の可能性があることから、6月12日午後9時から同日午後11時30分にかけて、当該プログラムを変更前の状態に戻す作業を実施。

その後、タンクの水位監視に問題がないことが確認できたことから、6月13日午前0時9分に増設多核種除去設備(A系)、同日午前1時14分に増設多核種除去設備(C系)の処理運転を再開。

増設多核種除去設備の運転状態に異常なし。なお、増設多核種除去設備(B系)については、吸着塔交換を行っていることから、当該作業終了後に起動する。
引き続き、重故障警報の発生原因調査を実施していく。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月13日

側溝内に設置された耐圧ホースからの汚染水が漏洩の続報。K排水路排水口6月12日採取の測定結果

K排水路排水口の放射性物質濃度(採取日:6月12日)については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。また、港湾口連続モニタの値に有意な変動が確認されていないことから、外洋への影響はないものと考えている。引き続き、監視を継続する。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月13日

 福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果|東京電力 平成27年6月13日
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「福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果|東京電力 平成27年6月13日」より
「福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果|東京電力 平成27年6月13日」より

1号機~6号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

加えて、
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を、1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機復水貯蔵タンクの滞留水を、1号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中。

※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中

◆2号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月11日午前10時15分~)

※タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中

◆3号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月11日午前10時19分~)

※タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備停止中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中

※ 増設多核種除去設備は3系統中2系統で運転中だが「停止中」

地下水バイパス ~通算68回目の海洋排水を終了。排出量は1,278トン

6月12日午前10時33分より海洋への排水を開始。同日午前10時42分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)

同日午後3時44分に排水を停止。排水停止状態に異常のないことを確認。排水量は1,278m3。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月13日

地下水バイパス揚水井分析結果(6月11日採取)過去最高値に迫るトリチウム1,000ベクレルを記録した揚水井No.10は測定なし。また、2つの揚水井でポンプ点検により採取中止

 福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果|東京電力 平成27年6月13日
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東京電力の資料に加筆
東京電力の資料に加筆

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

6月12日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月13日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月13日

 福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果について (H4エリア周辺)|東京電力 平成27年6月13日
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<H4周辺地下水E-1の全ベータ値>

4月21日採取 15,000Bq/L
4月22日採取 8,300Bq/L
(中略)
6月5日採取 5,100Bq/L
6月6日採取 4,900Bq/L
6月7日採取 5,200Bq/L
6月8日採取 4,700Bq/L
6月9日採取 5,600Bq/L
6月10日採取 4,400Bq/L
6月11日採取 3,200Bq/L

<H4周辺地下水E-9の全ベータ値>
5月18日採取 1,200Bq/L
5月20日採取 20,000Bq/L
5月22日採取 13,000Bq/L
5月25日採取 16,000Bq/L
5月27日採取 4,000Bq/L
(中略)
6月5日採取 5,400Bq/L
6月8日採取 3,400Bq/L
6月10日採取 4,700Bq/L

※ E-9の測定データはなし

H6エリア 周辺地下水G-2のトリチウム値がさらに上昇

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月13日

 福島第一原子力発電所構内H6エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果について (H6エリア周辺)|東京電力 平成27年6月13日
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<H6周辺地下水G-1のトリチウム値>
3月17日採取分で過去最高値 3,400Bq/Lを記録して以来、それまでの週1発表から毎日発表になっている。

3月17日採取 3,400Bq/L
(中略)
6月5日採取 200Bq/L
6月6日採取 160Bq/L
6月7日採取 160Bq/L
6月8日採取 130Bq/L
6月9日採取 150Bq/L
6月10日採取 180Bq/L
6月11日採取 190Bq/L

※ 3月10日(最高値の前回測定)の値は 480Bq/L
  3月3日はND(検出限界値:10Bq/L)

<H6周辺地下水G-2のトリチウム値>

4月20日採取 380Bq/L
4月21日採取 2,500Bq/L ※大幅に上昇
4月22日採取 2,000Bq/L ※若干減少
4月23日採取 310Bq/L
(中略)
6月5日採取 230Bq/L
6月6日採取 130Bq/L
6月7日採取 340Bq/L
6月8日採取 230Bq/L
6月9日採取 210Bq/L
6月10日採取 1,300Bq/L ※降雨0.0mm(浪江)ながら大きく上昇
6月11日採取 1,800Bq/L ※降雨0.0mm(浪江)ながらさらに上昇

※G-2のトリチウム値は、タンクからの汚染水漏れが発生から約1か月後の平成26年3月24日・25日に記録した7,000ベクレルがこれまでの最高値だが、27日には660ベクレルまで減少していた。

<H6周辺地下水G-3のトリチウム値>
漏洩タンクから最も遠いG-3もトリチウム値が上昇

4月27日採取 400Bq/L
4月28日採取 200Bq/L
(中略)
6月5日採取 340Bq/L
6月6日採取 270Bq/L
6月7日採取 270Bq/L
6月8日採取 360Bq/L
6月9日採取 310Bq/L
6月10日採取 250Bq/L
6月11日採取 280Bq/L

1~4号機タービン建屋東側 ~地下水観測孔No.1-17でセシウム134・セシウム137が過去最高値を記録した続報

<最新のサンプリング実績>
6月11日採取した地下水観測孔No.1-17において、前回(採取日6月8日)と比較し、セシウム134は前回検出限界値未満(検出限界値:0.39Bq/L)に対し49Bq/L、セシウム137は前回0.88Bq/Lに対し190Bq/Lと上昇を確認。

6月12日、再度採取し測定を行った結果、セシウム134は2.8Bq/L、セシウム137は5.0Bq/Lまで低下していることを確認。

なお、地下水観測孔No.1-17の位置する1・2号機取水口間では、海洋への流出防止を目的として、ウェルポイントにおける地下水の汲み上げを継続している。
その他の分析結果については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月13日

 福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果|東京電力 平成27年6月13日
www.tepco.co.jp  

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月13日

 地下貯水槽 分析結果(2015年6月12日分)
www.tepco.co.jp  

1~3号機放水路

新規事項なし

関連データ(東京電力以外のサイト)

 [浪江]2015年6月(日ごとの値)主な要素 | 気象庁|過去の気象データ検索
www.data.jma.go.jp  

6月13日の降水量合計は0.0mm。気温は最高 32.4℃、最低 17.5℃ 日照時間 9.2
 最大風速 4.6 西 最大瞬間風速 10.4 北西
6月12日の降水量合計は0.0mm。気温は最高 24.0℃、最低 14.8℃ 日照時間 0.2
 最大風速 2.8 東北東 最大瞬間風速 4.9 南東
6月11日の降水量合計は0.0mm。気温は最高 26.4℃、最低 11.5℃ 日照時間 8.7
 最大風速 5.2 東南東 最大瞬間風速 8.8 南

●最大風速とは10分間の風速の平均値である平均風速のうち、その日最大のもの。瞬間最大風速は、文字通り瞬間ごとの風速の最大値。
●●10分間の平均風速が10メートルを超える場合には、クレーン作業など屋内作業を停止しなければならない場合がある。

2011年11月2日 NHK NEWS Web「キセノン検出 局所的な臨界か」


キセノン検出 局所的な臨界か

(11月2日23時45分)

東京電力福島第一原子力発電所の2号機内の気体から、燃料のウランが核分裂したときにできる放射性物質のキセノンが検出され、東京電力は、核分裂反応が連続する臨界が、一時的に一部で起きた可能性もあるとみています。
一方、経済産業省の原子力安全・保安院は、「局所的な臨界が起きた可能性はある」としたうえで、「別の放射性物質が、自然に核分裂した可能性も十分考えられる」と説明しました。
福島第一原発2号機では、先月28日から格納容器の中の気体を吸い出し、フィルターを通して放射性物質を取り除く装置の運転を始めていて、この装置の出口付近で、放射性物質の種類や濃度を測定して分析しています。
その結果、1日に採取した気体から燃料のウラン235が核分裂したときにできる放射性物質の、キセノン133とキセノン135が、1立方センチメートル当たり100万分の6ベクレルから十数ベクレルと、ごく微量検出されたということです。
また、2日に採取した気体からもキセノン135が検出されました。
放射性物質の量が半分になる半減期は、キセノン133が5日、キセノン135が9時間といずれも短いため、東京電力は、3月の事故直後ではなく、最近、核分裂反応が起き、臨界が一時的に一部の場所で継続した可能性もあるとみています。
ただ、原子炉の温度や圧力などに大きな変動はないことから、大規模で長時間の臨界は起きていないと判断しているということです。
一方、経済産業省の原子力安全・保安院は、2日夜に記者会見し、2号機で検出されたキセノンについて、「ウランが中性子によって核分裂し、局所的な臨界が起きて発生した可能性はある」と説明しました。
そのうえで、「別の放射性物質が『自発核分裂』によって、キセノンが発生した可能性も十分考えられる」としています。
「自発核分裂」は、ウランではない別の放射性物質が、自然に核分裂する現象で、臨界は伴わないということです。
東京電力と原子力安全・保安院は、2号機で採取した気体を専門機関で分析するなどして詳しく調べることにしています。

キセノン検出 局所的な臨界か | 東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース | NHK 40年後の未来へ 福島第一原発の今

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成27年6月13日分の変更箇所を中心にピックアップしました。

【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
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