5月2日(土曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
H3タンクエリアの高濃度汚染水(ストロンチウム90を多量に含むRO濃縮水)を貯蔵するタンクから汚染水漏れの続報。監視カメラを設置。あまりにも線量が高いせいか
※5月1日午前9時30分頃、H3タンクエリアのB2タンクの基礎部に水溜まりがあることをパトロール中の協力企業作業員が発見。
当該水溜まりは当該タンクから漏えいした水と推定され、水溜まりの範囲については、約20cm×約20cmであり、堰外への漏えいはなく、同日午前11時現在、当該水溜まり範囲の拡大はない。H3-B2タンクに貯蔵されている水は、RO濃縮水。
当該水溜まりについては、拡大防止処置(土嚢および吸着マットの設置)を行い、同日午後0時20分完了。
当該水溜まり箇所の70μm線量当量率測定結果は、以下の通り。
・H3-B2タンク基礎部
(5cm距離※1) 70μm線量当量率(ベータ線) 70mSv/h
(5cm距離※1) 1cm線量当量率(ガンマ線) 0.06mSv/h
※1:高線量率箇所から5cm離れた位置
また、同日午後2時3分、H3-B2タンクに貯蔵しているRO濃縮水について、既設配管およびポンプを使用して、多核種除去設備への移送を開始。
本移送は、H3-B2タンクとB3タンクの連結弁を「閉」とし、H3-B1タンクとB2タンクを連結した状態で、RO濃縮水を移送。
漏えい範囲については、水溜まり発見時と比較して変化はない。また、水溜まりの深さは、最大で1mmであり、水溜まり量は約0.04リットルと推定。
当該タンクに貯蔵している水の分析結果(2013年3月7日採取)については、全ベータで約2.4×10^8Bq/L。
(既出)
同日午後3時頃、当該タンク基礎部付近にコーキング処置を行うとともに、監視カメラを設置しました。今後、通常のタンクパトロールに加えて、監視カメラによる確認を行う。
当該タンクに貯蔵しているRO濃縮水の多核種除去設備への移送については、2日程度の予定。その後、準備が整い次第、仮設ポンプを使用して残水移送を行っていく予定。
タンクに貯蔵されている汚染水の濃度約2.4×10^8Bq/Lは、1リットルあたり
「2億4000万ベクレル」(全ベータ)
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年5月1日午後0時~)
※滞留水移送は実施中
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年5月1日午後0時27分~)
※滞留水移送は実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・原子炉から使用済燃料プールへ燃料移動中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール
新規事項なし
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
水処理設備および貯蔵設備 ~第二セシウム吸着装置(サリー)「運転中」。サイトバンカ建屋からプロセス主建屋へ溜まり水を移送
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・集中廃棄物処理施設において、サイトバンカ建屋からプロセス主建屋へ溜まり水の移送中。(平成27年5月2日午前9時58分~)
その他の項目に新規事項なし
・セシウム吸着装置停止中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中
地下水バイパス
新規事項なし
地下水バイパス揚水井分析結果(4月30日採取) 揚水井No.9のトリチウムが過去最高値
<過去最高値>地下水バイパス揚水井No.9
トリチウム(H-3):150Bq/L(2015年4月30日)
これまでの最高値:140Bq/L(2015年2月26日)
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
5月1日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、測定箇所の上部で高所作業を行っていたことから、パトロール員の安全確保のために70μm線量当量率の測定を一部実施しなかった箇所を除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<H4周辺地下水E-1の全ベータ値>
4月21日採取 15,000Bq/L
4月22日採取 8,300Bq/L
4月23日採取 5,800Bq/L
4月24日採取 5,400Bq/L
4月25日採取 4,700Bq/L
4月26日採取 5,000Bq/L
4月27日採取 5,100Bq/L
4月28日採取 4,900Bq/L
4月29日採取 4,600Bq/L
4月30日採取 5,100Bq/L
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<H6周辺地下水G-1のトリチウム値>
3月17日採取分で過去最高値 3,400Bq/Lを記録して以来、それまでの週1発表から毎日発表になっている。
3月17日採取 3,400Bq/L
(中略)
4月17日採取 210Bq/L
4月18日採取 290Bq/L
4月19日採取 1,100Bq/L ※大幅に上昇
4月20日採取 710Bq/L
4月21日採取 990Bq/L
4月22日採取 1,500Bq/L ※かなりの上昇
4月23日採取 1,500Bq/L
4月24日採取 2,100Bq/L
4月25日採取 980Bq/L
4月26日採取 2,000Bq/L
4月27日採取 760Bq/L ※雨は降っていないのに大きく増減
4月28日採取 1,000Bq/L
4月29日採取 550Bq/L
4月30日採取 360Bq/L
※ 3月10日(最高値の前回測定)の値は 480Bq/L
3月3日はND(検出限界値:10Bq/L)
<H6周辺地下水G-2のトリチウム値>
4月17日採取 210Bq/L
4月18日採取 400Bq/L
4月19日採取 760Bq/L
4月20日採取 380Bq/L
4月21日採取 2,500Bq/L ※大幅に上昇
4月22日採取 2,000Bq/L ※若干減少
4月23日採取 310Bq/L
4月24日採取 300Bq/L
4月25日採取 330Bq/L
4月26日採取 290Bq/L
4月27日採取 200Bq/L
4月28日採取 270Bq/L
4月29日採取 190Bq/L
4月30日採取 220Bq/L
※G-2のトリチウム値は、タンクからの汚染水漏れが発生から約1か月後の平成26年3月24日・25日に記録した7,000ベクレルがこれまでの最高値だが、27日には660ベクレルまで減少していた。
<H6周辺地下水G-3のトリチウム値>
漏洩タンクから最も遠いG-3もトリチウム値が上昇
4月15日採取 520Bq/L
4月16日採取 390Bq/L
4月17日採取 360Bq/L
4月18日採取 320Bq/L
4月19日採取 280Bq/L
4月20日採取 270Bq/L
4月21日採取 310Bq/L
4月22日採取 380Bq/L
4月23日採取 320Bq/L
4月24日採取 330Bq/L
4月25日採取 320Bq/L
4月26日採取 230Bq/L
4月27日採取 400Bq/L
4月28日採取 200Bq/L
4月29日採取 310Bq/L
4月30日採取 320Bq/L
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