3月22日(日曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
5・6号機西側道路脇土手での出火の続報
※3月21日午前11時48分頃、福島第一原子力発電所5・6号機西側道路脇の両土手から火が出ていることを、協力企業作業員が発見し連絡があった。自衛消防隊および双葉消防本部による消火活動をおこない、同日午後0時24分に鎮火を確認。1~6号機プラントデータ(炉注水流量、燃料プール水温、原子炉冷却状態等)の異常、モニタリングポスト指示値の有意な変動およびケガ人の発生は確認されていない。(既出)
延焼範囲については、詳細確認により約2m×10mおよび約2m×15mの2箇所であることを確認。火災現場周辺の雰囲気線量は10μSv/h、空気中ダスト濃度は検出限界値未満(8.2×10^-5Bq/cm3)であることを確認。
延焼範囲にケーブル・配管が通っていることを確認。ケーブルは、5・6号機から免震重要棟へWebカメラ映像等およびモニタリングポストのデータを送信している通信ケーブル(2系統あるうちの1系統)で、通信状態に異常がないことを確認。
また、配管は5・6号機で使用する生活用水配管および雨水処理設備で処理した雨水を移送するための配管で、そのうち、生活用水配管の一部が損傷しており、損傷箇所から水が漏えいしていることを発見。生活用水配管の漏えい箇所については、ビニールテープによる養生を実施し漏えいは停止している。
火災の原因については調査中だが、車両の一部(損傷したブレーキ部品と思われる破片)が道路および延焼範囲に落ちており、火災発生の原因になった可能性が高いと思われる。該当する車両がないかも含めて、引き続き調査を実施。
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成27年3月2日午前10時25分~)
※滞留水移送は実施中
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成27年3月19日午前10時38分~)
※滞留水移送は実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中
地下水バイパス
新規事項なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
3月21日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、堰床部に溜まっている雨水の影響により測定を一部実施出来ない箇所を除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
H4エリアE-1の全ベータ値が漸減傾向から再上昇
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<E-1の全ベータ値>
3月8日採取 7,500Bq/L
3月9日採取 18,000Bq/L
3月10日採取 38,000Bq/L ※前日から2倍以上に上昇
3月11日採取 34,000Bq/L
3月12日採取 35,000Bq/L
3月13日採取 28,000Bq/L
3月14日採取 20,000Bq/L
3月15日採取 16,000Bq/L
3月16日採取 14,000Bq/L
3月17日採取 13,000Bq/L
3月18日採取 13,000Bq/L
3月19日採取 12,000Bq/L
3月20日採取 16,000Bq/L ※漸減傾向から再上昇
H6エリアG-1・G-2ともにトリチウムが大きく上昇
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<G-1のトリチウム値>
3月10日採取 200Bq/L
3月17日採取 3,400Bq/L
3月19日採取 1,900Bq/L
3月20日採取 3,100Bq/L
※再び上昇
3月10日以前の最高値:480 Bq/L(平成26年6月18日)
<G-2のトリチウム値>
3月6日採取 960Bq/L
3月7日採取 4,800Bq/L ※前日までとは桁違いに上昇
3月8日採取 480Bq/L ※前日の10分の1に
3月9日採取 3,600Bq/L ※前日までとは桁違いに上昇
3月10日採取 1,100Bq/L
3月11日採取 1,800Bq/L
3月12日採取 1,300Bq/L
3月13日採取 2,200Bq/L ※前日から900ベクレル上昇
3月14日採取 4,300Bq/L ※前日の約2倍に上昇
3月15日採取 370Bq/L ※前日の約12分の1に減少
3月16日採取 320Bq/L ※前日からさらに減少
3月17日採取 290Bq/L
3月18日採取 260Bq/L
3月19日採取 300Bq/L
3月20日採取 2,500Bq/L ※漸減傾向から桁違いの上昇
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。
最終更新:
51mister
火災の原因が気になります。本来火の気のないところですよね。事故か不審火だとしても、火災が原発の設備に影響したら大変ですから、こうした事が影響しそうな箇所は警備対象にすべきですよね。テロも現実的な時代ですし。