港湾内の海水(2号機取水口前)で全ベータが過去最大値を記録
1月6日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
セシウム吸着装置の処理運転を開始。セシウムおよびストロンチウム処理の準備が整う
※平成27年1月6日午前11時47分、セシウム吸着装置について、セシウムおよびストロンチウム処理の準備が整ったことから、処理運転を開始。
1号機 ~タービン建屋から1号機廃棄物処理建屋への高濃度滞留水移送を再開
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
加えて、
・1号機タービン建屋地下→1号機廃棄物処理建屋へ高濃度滞留水を移送中(平成27年1月6日午前9時46分~)
※滞留水移送は実施中
2号機~6号機
新規事項なし
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年12月22日午前9時58分~)
※滞留水移送は実施中
◆3号機
2号機と同じ4項目
※滞留水移送は停止中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール
新規事項なし
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
水処理設備および貯蔵設備 ~セシウム吸着装置を始動
・セシウム吸着装置運転中
その他の項目については新規事項なし
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
地下水バイパス ~通算42回目となる海洋への排出を終了。排出量は1,879トン
平成27年1月5日午前10時6分、海洋への排水を開始。同日午前10時13分に漏えい等の異常がないことを確認。同日午後5時27分に排水を停止。排水停止状態において異常のないことを確認。排水量は1,879m3。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
平成27年1月5日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側 〜2号機取水口前の海水で全ベータが過去最大
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
海水のサンプルで全ベータが過去最大値。サンプル採取場所は12月29日採取分でトリチウムが過去最大を記録したのと同じ2号機取水口(遮水壁前)の海水。
2号機取水口・遮水壁前(平成27年1月5日採取分)
・全ベータ:190 Bq/L(過去最大値)
<参考:過去最高値>
・全ベータ:170 Bq/L(平成26年11月24日採取分)
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1号機放水路
新規事項なし
※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。
関連データ(東京電力以外のサイト)
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成27年1月6日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
最終更新: