3日間合計雨量が3.5ミリでも降雨の影響? H6タンクエリアH6エリアG-2観測孔で全ベータが上昇
6月23日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。
[地下水バイパス]6回目の海洋排出の続報。サンプリングの分析結果
同日、この際の南放水口付近の海水についてサンプリングを実施し、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
今週もキャスク2回で44体。移送済み燃料は1122体
1号機 ~タービン建屋地下滞留水の移送を停止~
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
加えて、タービン建屋地下の高濃度滞留水の1号機廃棄物処理建屋への移送を停止
・1号機タービン建屋地下→1号機廃棄物処理建屋へ高濃度滞留水を移送実施(平成26年6月22日午前9時34分~午後6時28分)
2号機 ~タービン建屋地下滞留水の移送を停止~
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
加えて、タービン建屋地下の高濃度滞留水の3号機タービン建屋への移送を停止
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送実施(平成26年6月16日午後4時~6月23日午前10時13分)
3号機~6号機
新規事項なし
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中。(平成26年6月16日午後2時42分~)
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備の状況
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
地下水バイパス揚水井の状況
新規事項なし
※地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果 ~H6エリアG-2観測孔で全ベータが上昇~
漏洩を起こした後、パトロール強化やサンプリング検査が行われているタンクエリアの位置関係をGoogleMapのキャプチャ画面でチェック。
◆最新のパトロール
平成26年6月22日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
6月22日に採取したH6エリア周辺G-2観測孔の地下水について、全ベータの測定値が210Bq/L(6月21日採取分の分析値:17Bq/L)であった。
降雨の影響で測定値が上昇したものと考えており、今後も傾向を監視していく。その他の分析結果については、6月21日採取分の測定値と比較して大きな変動はない。
G-2観測孔での過去の最高値は260Bq/L(6/10)とのこと。6月7日から9日にかけては、40.0ミリ、17.0ミリ、24.5ミリの雨量を記録していた(気象庁の浪江町観測ポイント)。
22日の雨量は3.5ミリ。19日に24.0ミリの降水はあったが、その後2日間降水は記録されていない(同じく気象庁の浪江町観測ポイント)。
1~4号機タービン建屋東側の状況
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機サブドレン観測井の状況
今回新たに採取(6月20日採取)した4号機建屋山側(N13)の分析結果は、セシウム134が検出限界値未満(検出限界値:0.59 Bq/L)、セシウム137が1.2 Bq/L、全ベータ放射能濃度は検出限界値未満(検出限界値:12 Bq/L)、トリチウム値は240 Bq/L。今後も引き続き監視を継続する。
地下貯水槽の状況
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年6月23日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
最終更新: