2014年5月15日 今日の東電プレスリリース

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リベンジなるか、2号機格納容器内部の温度計再設置は5月20日に予定

5月15日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。

 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月15日
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今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
 今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
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リベンジ計画。昨年設置に失敗した2号機格納容器の温度計で

「福島第一原子力発電所第1号機、第2号機及び第3号機の 原子炉内温度計並びに原子炉格納容器内温度計の信頼性評価について (平成26年1月提出)」に加筆

「福島第一原子力発電所第1号機、第2号機及び第3号機の 原子炉内温度計並びに原子炉格納容器内温度計の信頼性評価について (平成26年1月提出)」に加筆

内部を容易に覗いて見ることのできない原子炉には、温度計や圧力計などさまざまなセンサーが設置されていたが、事故によって測定できなくなったものが少なくなかった。

2013年8月、2号機の格納容器内部に温度計の新設作業が実施された。フラスコ型をした格納容器の下部(丸い部分)に、一本のケーブルに8個の温度計を直列に取り付けた物を挿入。格納容器最下部の水の中から、その上の空間(気層部)までの温度を計る計画だった。

しかし、格納容器内部の構造物等が邪魔になって、下側6個の温度計は予定していた場所まで下ろすことができず、上2個のみが気層部の温度測定用として認定されていた。

温度計設置失敗の原因は温度計(ケーブル)を回転させてしまったから、として、この5月20日から再設置を行うとの予定を報告している。

※平成25年8月、2号機の原子炉格納容器(PCV)内部調査の実施に合わせ、温度計の設置作業を実施。

本作業において、温度計8個(1本のケーブルに直列に取付)のうち、2個は予定された位置で温度測定が可能になり、保安規定第138条(格納容器内温度)の監視計器:PCV温度(TE-16-007、008)として運用していたが、残り6個の温度計(TE-16-001~006)はPCV内の構造物に干渉し、予定された位置での温度測定ができず、結果的にPCV内気相部の温度を測定している状況となった。

その後、PCV内の構造物に干渉した原因が温度計挿入時の回転操作にあることを確認。温度計再設置の作業ステップを確立したので、平成26年5月20日、この6個の温度計を当初予定していた位置(PCV内気中部および水中部)へ再設置する作業を開始する予定。

再設置作業の一環として、5月15日午前8時35分にPCV温度(TE-16-007、008)を監視用温度計から除外。なお、再設置作業期間中は他の計器(既設PCV監視温度計5個)により、冷却状態を監視。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月15日

5,6号機北側Fタンクエリア滞留水処理装置で漏えい

※5月15日午前9時20分頃、5,6号機北側Fタンクエリア滞留水処理装置(淡水化装置)より水が漏れていることを当社社員が発見。

午前9時21分に当該装置を停止し、午前9時33分に漏えいが停止したことを確認。なお、処理装置自体は専用のトレーラーに積載されており、漏れた水はトレーラー下部に設置している堰内の鉄板上に濡れている程度でとどまっている。

漏えいした範囲は、約10m×約5m×約1mm。現在、漏えい水のサンプリングを実施中。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月15日

報道関係各位一斉メールとして、

●トレーラー下部堰内のみならず、淡水化装置周辺の堰内の雨水に混入した可能性
●漏えい水の分析結果
●漏洩箇所

が報告された。

 本日(5月15日)お知らせいたしました福島第一原子力発電所5・6号機北側Fタンクエリア滞留水処理装置(淡水化装置)からの水漏れについての続報です。

 漏えい範囲については当該装置のトレーラー下部堰内の鉄板上に、約10m×約5m×約1mmの範囲にとどまっていることを確認しました。

 その後、淡水化装置周辺の堰内の雨水に混入した可能性があることが確認され、漏えい量については雨水の放射能濃度を分析した結果より約2m3と推定しました。

 また、漏えい水の分析結果は以下の通りです。
 ・セシウム134: 297.0 Bq/L
 ・セシウム137: 774.6 Bq/L
 ・全ベータ  :14,940 Bq/L

 なお、淡水化装置送水ポンプ下流側に設置されている安全弁排出ラインのホースが破損したことにより、漏えいしたことを確認しました。
   
 堰内に漏えいした水については午後3時35分から午後7時10分にかけて回収しております。

福島第一原子力発電所5・6号機北側Fタンクエリア滞留水処理装置からの水漏れについて(続報)|東京電力 平成26年5月15日

1号機,2号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆2号機
1号機と同じ4項目

3号機

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年4月24日午前10時34分~)

※使用済燃料プール循環冷却系については、使用済燃料プール内の燃料交換機本体撤去作業に伴い、4月23日~6月上旬の間、原則毎週月曜日午前7時~土曜日午後4時の間停止予定(停止時間は最長で129時間、毎週土曜日午後4時~月曜日午前7時の間は運転予定)。また、水温は運転上の制限値65℃に十分な余裕を持った45℃を超えることがないよう、同冷却系停止前のプール水温度を29℃以下として管理する。

新規事項として、使用済燃料プール冷却の停止を報告

<最新の作業実績>
5月15日午前6時27分停止(停止時のプール水温度:19.5℃)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月15日

4号機~6号機

新規事項なし

◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備の状況

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

焼却工作建屋の水位、焼却工作建屋西側サブドレン水の分析結果

<最新の集中廃棄物処理施設各建屋水位>
各建屋内の滞留水の深さについては、常設水位計による監視において、プロセス主建屋への移送後の水位と比較し、焼却建屋では1.7cmの上昇。引き続き監視を継続。
5月15日午後2時現在の各建屋深さ
・焼却建屋:深さ19.3cm(4月14日移送停止後と比較し、1.7cm増)
・工作建屋:5月12日よりプロセス主建屋へ随時移送中

<最新のサブドレン水サンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月15日

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

<最新のパトロール結果>
5月14日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による水位監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月15日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月15日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月15日

1~4号機タービン建屋東側の状況

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月15日

1~4号機サブドレン観測井の状況

新規事項なし

地下貯水槽の状況

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月15日

 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月15日
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以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年5月15日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太

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