数年前、僕はラブホテルと呼ばれるレジャー施設で清掃のバイトをしていました。ラブホの職場環境は「面白いと思えば面白い、特殊と思えば特殊、普通と思えば普通」という何とも不思議な感覚があります。このシリーズ?では謎の多いラブホテルの舞台裏に少しずつ迫っていきたいと思います(脇汗)。
圧倒的に時給が安いラブホテル
僕がバイトしていたラブホテルは周辺のホテルと比べて時給が安く、時給700円でした。他の店舗が時給800円~850円が相場なことを考えると、圧倒的に安いことが分かります。社内研修している社員さんも3ヶ月間は時給700円からのスタートです。
社員候補には超有名大学を卒業したスーパーエリートの人がいて、「時給700円の仕事がどれほどの物か、この目で確かめてみたかった!」という動機で入社した強者もいます。時給が安い理由は謎に包まれており、他店のバイトを経験したスタッフの話では「仕事は他のホテルと変わらない、まかない付きだからかな?」という説でした。
時給700円スタートでも3ヶ月毎に10円上がる!
しかし、嬉しいことに3ヶ月毎に時給が10円ずつ上がるという奇跡のシステムがありました。入社3ヶ月で時給710円、半年後には720円、そして1年後はよく分からない理由でマックス750円まで跳ね上がります!
他店と比べると50円以上の時給の差があるものの、頑張って頑張って10円上がったときの充実感でまた3ヶ月頑張れる!という魅惑がありました。
しかし、1年経過すると時給UPは自動的に停止してスタッフはやる気を無くし、「やっぱり安いな~」と嘆きます。清掃スタッフ全員で「時給が安い!」とY主任へ相談に行くと「ほざくな~~!」みたいな感じでキレられて終了しました。
時給を上げるにはどうすべきか…?
答えは客室に落ちてる小銭を拾うことでした。ほとんど泥棒の域に達しますが、これが抜群の効果を発揮します。室内に掃除機をかけると足元に小銭を発見することが多く、10部屋も掃除すれば確率的に2部屋はコインを拾えます。10円拾うだけで、規格外の時給760円に抜けていく感覚は堪りません!
小銭を拾えるポイントは、客が直接コインを扱うパチスロ機周辺です。銅メダルの10円を発見するとテンションは1.5倍、銀メダルの50円玉や100円玉を発見したときはテンションは一気に4倍です。そして表彰台の頂点に立つ500円玉を拾う確率は100部屋に1つか2つ…。
これを拾ったときは目の奥が¥マークになるくらい有頂天です。時給750円⇒1250円にupするなんて常識では考えられません。拾った金で吉牛でも食うか~?ツタヤでDVDでも借りてくるか~?など、プチ贅沢を妄想して酔いしれます。
しかし、よく考えてみれば小銭はどのホテルでも落ちている訳で、他店では時給850円⇒1350円に跳ね上がることを考えればテンションはガタ落ちです…。結局、拾った金は貯金に回して保管する。泥棒より優秀です。