2014年、ブラジルW杯大会出場を決めたサッカー日本代表。本大会までの1年間、新たな戦術のオプションとして新戦力を試す機会が訪れたのではないでしょうか?ザッケローニ体制になってから3年間。日本代表に招集されても実戦で使われない選手。長らく代表候補と叫ばれながら召集すらされない選手もいます。ファンやサポーターの目線から、A代表で起用して欲しい選手をピックアップしてプレースタイルに迫ります!
【工藤 壮人】くどう・まさと
生年月日:1990年5月6日(23歳)
出身地:東京都杉並区
身長 体重:177cm 74kg
在籍チーム:柏レイソル
ポジション:FW
背番号:9
利き足:右
特長がないことが特長という一風変わった選手
工藤壮人はミスターレイソルと呼ばれた北島秀明の背番号9を受け継ぐ男として注目され、2013年はJリーグ13試合8得点で一気に主役に躍り出たストライカーです。北島はJ屈指のセンターフォワードとしてゴール前に張り付くプレースタイルでした。しかし、工藤はそのイメージとは全く違う捉えどころのない選手です。
2列目から前方に飛び出していくMFのようでありながら、トップではDFに背を向けてハードなポストワークもこなします。ドリブル、シュート、パス、ヘッド、全てのプレーで平均点以上の能力を持ちますが、どこがストロングポイントなのか?と考えると答えが出てこない不思議な選手です。
元スペイン代表のラウルのようなストライカー
驚くほど強い身体能力があるわけでもなく、秀でた技術を持つわけでもなく、突出したスピードと高さがあるわけでもないのに点が取れる!元スペイン代表のラウル・ゴンザレスに近いイメージを持つストライカーではないでしょうか。ゴールに至るまでの動き出しが一流でとにかくクレバー。
どのようなタイプのFWと組んでも能力を発揮できる優れた順応性を持ち、セカンドトップとしてもサイドハーフとしてもよどみなくプレーできるのが強み。サイドを華麗に切り裂くドリブル突破、左右両足で繰り出されるクロスボールの正確性、ゴール前でDFとの競り合いに強さを見せる空中戦、GKの手の届かない位置にシュートを打てる決定力。欠点がないことで全てのプレーに安定性があります。
際立つメンタルの強さとゴールへのイメージ
自分のプレーにこだわりがなく、強引に突破をしかけてボールを奪われることがありません。スペースがあればドリブルで突破し、DFの密集する狭い局面ではパスを選択してシンプルにゲームを組み立てます。ゴールに向かう動き出しの速さとDFとの駆け引きの巧さが際立ち、オフサイドラインをギリギリで抜け出してくるのでディフェンスラインには脅威です。
アグレッシブなメンタリティでプレーにブレがなく、大一番で勝負強さを発揮するのも魅力。A代表では左右のMFとして出場させ、本田圭佑や清武弘嗣などのパサータイプのMFと組ませてみたいアタッカーです。また、岡崎慎司と左右のMFでコンビを組ませた場合、両選手ともDFの裏に抜け出していくフィニッシャーなので、ブラジルやスペインなどポゼッション率の高さを武器に前がかりに攻めてくる相手には有効なカードだと思います。