【サッカー日本代表】日本VSブラジル・・・世界と距離を埋めるために必要なものとは? 《コンフェデレーションズ杯》

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FIFAコンフェデレーションズカップ2013がブラジルで開催されています。2014年ブラジルワールドカップのプレ大会として位置づけられており、開催国のブラジルを筆頭にFIFAランキング上位3ヵ国であるスペイン、イタリア、ウルグアイを招待し、日本、タヒチ、メキシコ、ナイジェリアの計8ヵ国が母国のプライドをかけて戦います。本気モードの強豪を相手に日本がどこまで渡り合えるのか?ザックジャパンの集大成を試す大会になりました。

コンディション不良で戦える状態ではなかった

結果的には0-3の惨敗。これは妥当な数字だったのか?試合を振り返って検証してみます。日本のシステムは4-2-3-1。DFは左から長友、今野、吉田、内田。MFはボランチに遠藤と長谷部。攻撃的MFは左に香川、中央に本田、右に清武。1トップに岡崎という布陣。驚いたのは前田に代えて岡崎をトップに配置したことです。ブラジルの強固なセンターバックに対して、前線でボールを収める前田ではなくDFの裏を取れる岡崎を選択したとザッケローニは語っています。

効果はほぼゼロでした。これは岡崎が悪かったのではなく、チームのコンディションが圧倒的に悪すぎて日本の良さがまるで出せなかったという印象です。個の能力でブラジル代表の足元にも及ばない日本が決定機を生み出すには、運動量を極限まで上げてゴール前に人数をかけざるを得ません。

ウイング的な役割を果たすサイドバックの内田と長友がバイタルに侵入し、ディフェンスラインを横に引っ張ってスペースをこじ開け、そこに3列目の長谷部と遠藤が飛び出して2列目のMFと1トップと近い距離で連動していく必要あります。つまり、圧倒的な運動量がなければ日本の攻撃は機能しないということです。

6月11日のイラク戦から中3日の強行スケジュール。日本は後半から失速して前に向かう推進力を失いました。3戦連続でフル出場した遠藤はガス欠を起こして途中交代、怪我を抱える本田と長友もトップフォームには程遠い内容です。消化試合だったイラク戦にレギュラー陣を起用した指揮官の管理に問題がありました。

目立つのはブラジル人の技術と戦術眼の高さ

前半3分に浴びたネイマールのボレーシュートはまさにワールドクラス。あのタイミングで正確なミドルをゴールに叩き込む技術を持つアジア人はいないでしょう。アジアレベルに慣れきった日本のディフェンスラインは唖然とした表情を浮かべていました。目立ったのはブラジル代表の個人技と戦術眼の高さです。

チームで戦術を決めて実行しているというよりは、個人の決断で戦術を動かしているという印象を受けます。ブラジルは勝利が至上命題だったにも関わらず、焦って前に出て行くことはせず、むしろカウンター気味に引いて守っていたように見えました。しかし、ここぞという場面ではボランチとサイドバックが一気にバイタルエリアまで侵入します。

後半3分、右サイドバックのダニエウ・アウベスのグランダークロスに対して、ペナルティボックスに5~6人が入ってきました。あれだけ人数をかければDFが捕まえ切れる訳もなく、パウリーニョに振り向きざまに放たれたミドルシュートは川島の手を弾いて2失点目。ブラジルは組織に頼ることもなく、個人の力だけでゴールを奪う力があります。

新戦力の投入、新戦術の取り組みが必要ではないか?

日本は運動量が落ちた時点で戦えない。この事実が早めに発覚したのはいいことだったと思います。ザッケローニ監督はいつまでも既存の戦力で戦い続けることはないでしょう。ディフェンダーでは1対1の競り合いに勝てる選手。オフェンスには個の力で決定機を作り出せる選手が求められます。

本田圭佑、香川真司も個の力で戦うには十分な力を持ちますが、現在のフォーメーション4-2-3-1で彼らの力がどこまで引き出されているのか疑問が残ります。システムをダイヤモンド型の4-4-2に変更して香川をトップ下置き、得点力と突破力を生かせるように香川シフトを組む手も考えられます。

センターバックに田中マルクス闘莉王を置いて、緊急時のパワープレーに強さを発揮する選手も必要ではないでしょうか。組織に頼り過ぎるのは限界があり、世界のトップレベルを相手にガチンコで得点を奪うには突出した個の力が必要です。現行の戦力を成熟させるのではなく、新戦力を投入して新たなステージをこじ開ける必要があると思います。

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