国内には6,000を越す島々が存在します。それだけたくさん島があれば、中には一風変わった面白い島もちらほら見かけたりします。このシリーズでは、そんな島々の中でも「日本で唯一、●●な島」だけを取り上げて紹介していきたいと思います!話のネタに、島旅の参考にどうぞ!
島は何も海の上に限った存在ではありません。例えば湖の上にだって島は存在するんです。その中でも、滋賀県・琵琶湖の上に浮かぶ沖島(おきしま)は、ちょっと特別な存在。国内に数百ある湖上の島としては、唯一の有人島なのです。2013年現在、およそ350人ほどの人々が暮らしています。
ココに注目!~日本で唯一たるポイント~
■1.漁業資源に恵まれた琵琶湖だからこそ
沖島を見わたして、まず圧倒されるのは漁船の多さです!よく「沖島には1家に1隻以上の船がある」なんて話を聞きます。それもそのはずで、島民のほとんどが漁業に従事しています。ですので、日中の沖島は本当に静か。
それに、日本最大の淡水湖である琵琶湖は魚たちにも恵まれているのです。沖島漁港では、アユ、ワカサギ、ビワマス、フナ、ウナギなど、季節に応じた淡水魚が多く水揚げされています。通年で魚を獲れたことが、湖の島の生活を確立させたひとつのポイントではないでしょうか。
島の民宿では、こうした淡水魚が食事に出されることもあり、訪れる観光客を楽しませています!特に賛否両論の珍味との呼び声高い「鮒寿司」は一度食べてほしいところです。独特な香りで、好きな人にとってはワインがよく合うそうな・・・。
■2.移住のはじまりは近江源氏の落武者!
さて、そんな沖島ですが、縄文土器や和同開珎が島の周辺の湖底から発見されたこともあり、古くは縄文時代より人々の往来があったのではないかと言われています。つまり縄文時代の頃から、沖島に関わる生活が営まれていたと考えられています。当時から琵琶湖の魚が食べられていたのでしょうか。
そして決定的だったのが、保元の乱・平治の乱に敗れ、逃れてきた源氏の落武者たち。彼らが沖島に漂着し住んだことで、沖島の生活の歴史は始まりました。彼らの定住がきっかけとなり、島では漁業が確立されていったそうです。現在も島民の多くがその子孫だと言われています。
■3.沖島ならではの風景と新たな取り組み
日中は本当に静かで、木々のざわめきが心地よく聞こえてきます。島内には自動車が無く、移動手段は徒歩か自転車。工事などの大掛かりな作業もあまり見かけないせいか、時間が止まったような、昔ながらの風景が広がっています。近江八幡市は古風で洒落た街並みで有名ですが、沖島に行くとその味わいがより一層深まるのではないでしょうか。
長い歴史の中では、琵琶湖にも変化がありました。水質の変化などがもとで蜆などが獲れなくなったほか、ブラックバスなどの外来魚の繁殖による生態系への影響も懸念されています。そのなかで、島の人々は、外来魚の捕獲や外来魚を活用した商品開発事業を立ち上げており、栄養価の高いブラックバスを加工し、コロッケやペットフードといった商品を開発しました。島の活性化に向け、新たな活気も見せつつある島なのです。
沖島
日本で唯一の湖上の有人島!(滋賀県近江八幡市)
島ライターおっくんが選んだ「日本で唯一の島々」!
個性あふれる○○な島、××な島!
話のネタにもなりますよ~