決して豪華ではないけれど、なんだかちょっと贅沢。粟島・漁火温泉「おと姫の湯」【旅レポ】

その日の疲れを癒す場所、それが温泉。

粟島・漁火温泉「おと姫の湯」

粟島の漁火温泉「おと姫の湯」にやってきた。そう、粟島には温泉があるのだ!!

日本全国、島めぐりをしていると、たまに温泉のある島に出会うことがある。たいてい、離島の温泉と言えば、「火山島ゆえの硫黄の香りただよう温泉」という印象があったが、粟島は特に火山島というわけではない。それだけに、この粟島に温泉があるというのは少し意外だった!

季節によっては海の向こうに漁火が見られるので「漁火温泉」。そして島の特産品、竹にちなんでか「おと姫の湯」という名前である。島では一日動き回ることが多いので、はっきり言って、その島に温泉があるだけでかなり嬉しくなる。

「おと姫の湯」は港から徒歩5分程度。なだらかな上り坂を少し歩いた先にある。入館料は大人1人500円。

粟島は、歴史的にも地殻変動が多く起こっている島なので、化石海水型の温泉(地殻変動の際に、海水が地中に入り込み、やがて湧き出すもの)だと聞いた。

見た目は銭湯のような公衆浴場のイメージ。窓からは日本海が一望できるようになっている。泉質としては無臭透明の塩化物泉で、ウワサによると相当塩辛く、そしてニガいらしい・・・。温泉ファンによれば、このニガさこそが成分の高さの証らしく、離島の小さな温泉ながらちょっとバカにできないほど、良い泉質なのだとか。ニガいのは嫌いなので、さすがに飲まなかったけれど(笑)

とくに粟島の場合、「車やバスに乗ってのんびり移動~」なんてことはあまりない。どちらかと言うと船に乗ったり、自転車を借りたり、遊歩道を歩いたり。それなりに体力を使うことになる。だからこそ、この温泉の存在がありがたいのだ!

ゴールデンウィークのこの日は、特に島が賑わう時期とあってか、温泉が狭く感じるほどに混んでいた。

しかし、景色が良いだの、泉質が良いだの、それらはたしかに素晴らしいのだが、おそらくこの温泉の魅力はそこではない。そんなことよりもこの「おと姫の湯」、どこか独特の親しみやすさを感じずにはいられないのだ。

何故って、温泉というよりも銭湯という雰囲気を感じるし、温泉よりも大広間の方が広かったりするし、温泉にちなんだテーマソングが発売されていたりするし、粟島限定のお酒・清酒「粟島」の自販機があったりするし・・・。正直なところ、温泉よりも温泉を楽しむ人々の方が印象に残った。一緒にその日の疲れを癒し、大広間でそのまま身体を休ませ、音楽でも聴きながら、酒を飲む。お客さんの多いこの日は館内にて音楽ライブも行われ、まさにそんな光景が広がっていた。

決して豪華ではないけれど、なんだかちょっと贅沢。温泉以上にこの雰囲気が印象的だった。

漁火温泉「おと姫の湯」

粟島唯一の温泉。「泡姫ちゃん」Tシャツが売っている唯一の場所でもある。●入浴料:大人(中学生以上)500円、小学生 200円●営業時間:10:00~20:00(受付19:30まで)●定休日:火曜日

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