震災マニュアル ~ 震災に遭ったら(1戸建住宅)

   地震や津波などの自然災害は人間の力で防ぐことはできません。また地震を予知することもできません。しかし、自然災害が発生した時に、どうやって身を守るのかを、事前に考え準備しておくことで、被害を食い止めることは不可能ではないはずです。

考えられる危険

・家屋の倒壊
・ドアや窓の損壊、転倒した家具などで脱出が困難になる
・家具などの重量物に挟まれる、つぶされる
・飛散したガラスなどの危険物による負傷
・電柱やブロック塀などの倒壊による建物の損壊
・火災

  「揺れた時には、まず自分の身を安全に守りましょう」と言われます。具体的には丈夫なテーブルなどの下にもぐりこみ、頭部を座布団などでガードすることが勧められています。しかし、もうひとつ考えておかなければならないことがあります。

   「建物が地震に耐えるだけの強度をもっているか」ということです。 

   阪神・淡路大震災では、亡くなった方の約8割が家屋倒壊による圧死でした。さらに、倒壊した建物から逃げられずに火事によって焼死した方が約1割です。約9割の方が自宅が凶器となって亡くなられているのです。 

   自分の身を守るために、住まいに十分な耐震強度を持たせることは極めて重要ですが、どんな大きさの地震が来るか、それは分かりません。耐震強度を超える地震が起こらないという保証もありません。

   余裕があれば、ドアなどを開けて、いざという時のための逃げ道を確保しましょう。

   突然の大きな揺れで、逃げ道を確保することすらできない時には、もちろん頑丈なテーブルなどの下で身の安全を守らなければなりません。大地震に襲われた時には、このとっさの判断が大切です。

   固定していないタンスや食器棚、冷蔵庫などの重量物は危険です。また、しっかり固定していても中身が飛び出してくるので要注意です。  

   また、「地震、火を消せ!」は、火災によって多くの人命が奪われた関東大震災などの教訓から語られてきた教訓です。現在、家庭のガスのほとんどにはマイコンメーター(ガス漏れ遮断器)が付いています。ストーブなどの暖房器具にも自動停止装置がありますよね。ですから、身の危険を冒してまで火を消す必要はありません。無理して火を消そうとして、ヤカンや鍋で火傷をするようなことがあれば、その後の避難が大変になりかねません。 

地震の揺れから生き延びるポイント

・身の安全を第一に考え、揺れが収まるまでの数分間を生き延びるという意識が重要
・頑丈なテーブルなどの下にもぐり、落下物などから身を守る
・とくに頭や首はクッションや座布団などでガードする
・余裕があればドアを開けて逃げ道を確保する
・窓ガラスや食器、照明器具などのガラスが飛散するので素足は禁物
・揺れが収まってから、安全を確認して外に出る
・家屋から逃れた後、建物が倒壊する危険がある時には、どんな大切なものがあっても中に入らない
・緊急地震速報を受信できるようにしておく

屋内にいるとき

屋外にいるとき