2012年11月1日から18日までタイ王国でFIFAフットサルワールドカップが開催されました。全世界から24ヵ国のナショナルチームが参加し、優勝に向けて熾烈な戦いが繰り広げられています。日本はJリーグから三浦知良を召集し、ペルーから森岡薫を帰化させて大幅に戦力が強化されました。今回はフットサル日本代表として活躍する三浦知良選手のプレーの魅力に迫ります!
国籍:日本
生年月日:1967年2月26日(45歳) 出身地:静岡県静岡市葵区
身長:177cm 体重:72kg
在籍チーム:横浜FC
ポジション:アラ背番号:11
利き足:右足
フットサル日本代表に与えたカズ効果とは?
12年ぶりに日本代表のユニフォームに袖を通してピッチに帰ってきた三浦知良。10月24日に行われたブラジルとの国際親善試合で代表デビューを果たし、『カズ効果』で会場は8236人の大観衆で埋まりました。ミゲル・ロドリゴ監督がカズを日本代表に招集した狙いとは何だったのでしょうか。
1つ目はカズという国民的なスターを使った宣伝効果があります。フットサルワールドカップは1989年に第1回大会を開催した歴史のある国際大会ですが、日本での認知度は決して高いものではありません。カズが代表に招集されなければテレビで大々的に試合が放映されることもなく、マスコミの注目度も低かったでしょう。
2つ目はチームのモチベーションを引き上げるためです。マスコミへの露出度が増えることで必然的に選手のやる気は増すだろうし、ワールドカップでの活躍がマスコミを通じて全世界に広く伝われば、マイナーな日本人選手でも海外のビッグクラブへの移籍が現実的なものになります。
3つ目は純粋な戦力としての期待です。サッカー日本代表として国際Aマッチ89試合出場・55得点という圧倒的な実力と経験を高く評価し、その勝負強さと国際経験をフットサルの舞台で生かそうという狙いです。フットボーラーとしての三浦知良の技術力と得点力が、チーム力の底上げに繋がると見込まれていました。
カズに任されたアラというポジションの役割
フットサル日本代表でカズに与えられたポジションは『アラ』と呼ばれるサッカーでいうミッドフィルダーの役割です。トップとディフェンダーの間に入り、前線へのパスの繋ぎ役となりながらサイドから前方に飛び出して積極的にゴールを狙うポイントゲッターとしての役割も期待されます。トリッキーなフェイントを駆使したドリブル突破と、精度の高いシュートが三浦知良の武器。敵陣深くで前を向いてボールを持つことで、カズの持つ攻撃の特徴が最大限に発揮されると考えられたのでしょう。
ワールドカップでの起用法と選手としての実力
ワールドカップで日本代表が戦った試合時間は4試合で160分。カズがピッチに立った時間はその内の30分余りです。チームの主力としてファーストメンバーにチョイスされることはなく、セカンドセットやサードセットとして途中出場しています。4試合出場で0得点0アシストという結果に終わり、直接的にチームの勝利に貢献したとは言い難い内容ですが、カズがチームに与えたメンタリティーの影響力は大きいものがあります。
肝心のプレー内容ですが、ボールを持って前に仕掛けるという積極性は表れていたと思います。他の選手が消極的なパス回しを選択しても、サイドから強引にドリブルで切れ込んでクロスを上げたり、トップとのワンツーからミドルシュートを狙うなど攻撃的なプレーが光りました。
しかし、サッカーとフットサルの違いに苦しんでいた部分も多く見られます。フットサルの狭いコートに苦しみ、ドリブルではファーストタッチが大きくなってディフェンスの足に引っかかりました。シュートの場面でもモーションが大きいためにDFにコースを消されていました。瞬間的なスピードを要求されるフットサルのリズムに戸惑っていた印象があります。
ディフェンス面では体を張ったスライディングタックルと前線からの激しいチェックで攻撃の芽を摘んでいましたが、スピード不足を突かれて1対1で振り切られるシーンも目立ちました。個人的な意見ですが、フットサルのスピードに慣れていないカズを中盤で使うのは攻撃面でも守備面でもリスクを伴うように感じられます。むしろトップとして最前線にカズを置き、フィジカルを生かしたポストプレーとゴールへの嗅覚を生かした飛び込みに期待する方が現実的だと思いました。
総括
プレーではチームを引っ張る活躍を果たせなかったものの、フットサル日本代表が史上初のベスト16に進出できたのはカズのメンタリティーがチームに浸透していたことが大きかったと思います。次大会では小野伸二や中村俊輔への参加要請も検討されているようです。フットサルの新しい未来を楽しみにしたいと思います!
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