【連続リレー小説】「憂い」02

この小説のご使用方法

この小説は多人数で書かれています。1話書いたら、次の人がその内容を引き継いで次の話を作ります。

次の人は前の内容に矛盾のしないように書かなければなりません。その様がリレーのように見えるので、連続リレー小説と呼ぶことにしました。

またもう一つ、タグに設定されている言葉を必ず文中で使うというルールを設定しました。

どこに使われているか探してみてください。

もくじはこちら

雨の中の外出

「やれやれ、雨か。」大粒の雨が地面をたたく音の中、私はバス停へと歩き始めた。

先週末に彼女から手紙が届いた。家に来てほしいようだ。

私の家は街中だが、彼女の家は森の中にある。彼女は文明のにおいがあまり好きではないようなのだ。自然に囲まれたログハウスに住んでいるのだが、私はどちらかというと整ったところが好きなので、

そういう生活を選択するのはとてもワイルドに感じる。私には選択できないだろう。

停留所につくとすぐにバスが来た。バスは一時間に一本しか運行していない。運がいい。バスには客はあまり乗っていなかった。無理もない。こんな雨の中、森に向かっていく物好きなどいない。

少し彼女の話をしておこう。

まず、彼女は常に迷っている。いや、それは少し表現がちがう。彼女はいろいろなことに疑問を持ち、矛盾に満ち溢れているこの世の中が信じられないようなのだ。

また、彼女はとてもテレビ好きだ。文明のにおいが嫌いといっている割に。なるほど。彼女もまたそのうちに矛盾を抱えているのだ。

彼女の家の近くの停留所で降りた。

まだ雨足は収まらない。ここからはまた歩きだ。持っていた傘をさし、歩き出す。森の中に入ると、少し雨足が収まった。木がさえぎってくれているのか。

しばらくぬかるんだ道を歩くと、彼女のログハウスが見えてきた。

雨の中の訪問

ドアをたたくと、彼女が迎え入れてくれる。私の顔を見ると、破顔してくれた。「久しぶり。あがって。」

入る前にコートについた雨粒を払って、彼女の家に入る。部屋の様子は以前に来たときのままだ。

ベッド、キッチン、暖炉が部屋を囲っている。真ん中にはテーブル。暖炉には火が入っている。私は一息ついてテーブルにつく。テーブルは切り傷でいっぱいだ。

彼女は彫刻もするから、そのときについた傷だろう。

「雨の中、来てくれてありがとう。」そういって彼女はお茶を出してくれた。特有のにおいが鼻をくすぐる。これはハーブか。

お茶をすする。あたたかさが体に広がる。

「さて、早速手紙の話を聞こうか。」