土地の境界を示すため地面に埋め込まれている「境界標」を見てきたこのシリーズ。先日、今まで見たことのない種類を見つけました。
今はなき「修善寺町」という表記が郷愁をそそりますね。樹脂に覆われた境界標は今までにも見たことがありますが「青」は初めて。
「地籍多角」と書いてあるのも初めて見たので調べてみると…
地籍図根多角点
地籍図根多角点は、地籍図根三角点に基づき測量された基準点です。
3級基準点に相当する精度を有し、公共測量には使用できませんが、一般の測量の際の基準点としてご利用いただくことができます。
そのものずばり同じ言葉ではありませんでしたが、おそらくここに書かれた「地籍図根(ずこん)多角点」のことではないでしょうか。
そのすぐ近くにもうひとつ青い杭を見つけました。これです。
字が見にくいですが、写真右辺が頭になります。「図根(ずこん)点」と書いてあります。こちら、先ほど引用した名張市のHPで近い言葉をさがすと…
地籍図根三角点
地籍図根三角点は、国土地理院が管理する国家三角点や電子基準点に基づき、GNSS測量(GPS測量)により非常に高い精度で測量された基準点です。
公共基準点ではないため、公共測量の与点として使用することはできませんが、2級公共基準点に相当する精度を有しており、一般の測量の際の基準点としてご利用いただくことができます。
これでしょうか。また別のページでは
図根点
読み方:ずこんてん
平板測量などで地図の作成を行う場合、地域全体での地図の精度を保持するため、地域全体にあらかじめ設置して位置と高さを測定した点をいう。平板測量の場合、5cmに1点必要だとされている。
と説明されています。どちらも「土地の境界」を表すものではいので「境界標」ではありません。「測量をする時に基準となる点」と解釈すればいいんでしょうか。地面にある杭について、さらに興味が広がりました。
ところでわたしが今回注目したのは、上の引用の中にある「高さを測定した点」という言葉でした。
土地は平らではない
7月の豪雨により、熱海市伊豆山地区では多くの建物だけでなく「土地そのもの」が流失してしまいました。
「どこからどこまでが誰の土地」というのは平面だと想像しやすいですが、あのように土地ごと、山ごと無くなってしまったら、そこにあったであろう境界標はもちろん流されています。それどころか、土地の原型を一切とどめていないわけです。
その場合、住んでいた方たちの所有地の「元の形(高さ)」はどうやったらわかるのでしょうか?
このことを、徐々に勉強していきたいと思っています。
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