ソクラテス(プラトン)、デカルト、アレント、吉本隆明の言葉から、「哲学は何か」を考えた本です。
他人が何年もかけて考えたことを、読んだだけで分かった気になっているけれど果たして本当に分かっているのか。
例えば、杖が必要な老人の前で老いについて分かったように語ることは出来ない。
時が経たないとどうしてもわかることが出来ないことを、分かったような気になる。
早く分かろうとすることは叡智に対する冒涜だとデカルトは感じていたようです。
現時点で分からないことは意味がないということでもない。
分かるというのは時間も必要で、分からないからと言って焦る必要はない。
分かった気にならず、分からないことを投げ出さずに考え続けることが、本当の意味で分かることなのだと思います。