アグリツーリズモ大森家(ランチ)
戻ってきて、開口一番。
「ただいま!」
もう勝手に自分の家みたいにしちゃっています。(笑)
すでにテーブルには美味しそうな料理が並べられていました。
ランチメニューは牡蠣の燻製パスタ、ラム肉と野菜のグリル、コンソメスープ、自家製ジンジャエールです。
りくたか(広田湾)名物の牡蠣。ジンギスカンが名物の遠野ではラム肉が多く出回っているのだとか。野菜はもちろん農園で栽培されたものが中心です。女将さんいわく「これで焼くと甘くなる」という南部鉄器を使った野菜のグリルは色鮮やか。どのお皿も完食でした!
ランチを頂きながら、女将さんが様々な話をしてくれました。この地域のことや農泊の楽しさ…。しばらくすると教育談義にも発展していきました。
というのも、実はこの宿を始める前は、養護教諭として釜石の小学校に勤務していたのだそうです。
釜石と言えば、前日に見学したとおり、防災教育が震災前からも積極的に行われている地域。あの日も児童がてんでんこの教えのもと、各自で避難しました。
中には、家族や近所の人に避難を促す児童も。
「それまで無口だった児童がおじいさん、おばあさんを助けたことで自信を持ち、今では率先して人前で話すようになった」
と言います。
震災がこのような形で人を変えるきっかけを与えていたとは…。防災教育の賜物はいろんな形で表れるのだなと思いました。
遠野市の民宿には修学旅行だけでなく、一般企業の方々も研修として訪れているようです。都会で働く方にとって自分たちで考えながら生活を送ることで、普段は見えない同級生、同僚の新たな一面を見られるということで好評なんだそう。
他にも、今の学校教育のここに"喝!"など話は尽きませんでした。
そんな中、とうとう時間が来てしまいました…。
あまりにも居心地が良く、もう1泊していきたい気持ちになりましたが、今回はここまでです。
次回は農業体験ができる時期にまた訪問したいと思います。ありがとうございました!
旅を終えて
急きょ変更になった部分もありましたが、無事にツアーを終えることができホッとしました。初めての子連れ旅行でしたが、移動中や地元の人との交流時では、思いのほか息子が頑張ってくれました。(面倒を見てくれた妻にも感謝です!)
今回初めての岩手県でしたが、過去の教訓からもわかるように『津波が来たらてんでんこ』という教えのもと、備えの意識は元々高い地域が多いと感じました。
では、なぜこれほど犠牲者が出てしまったのかというと、「ここなら大丈夫」という思い込みやいったんは避難するも引き返してしまったことが大きな原因として挙げられています。“想定”はあってないようなものだということが、あらためて分かりました。
岩手県ほど、もともと津波に対する防災意識が高い土地であっても、そこに住むすべての人に伝え続けていくことの難しさを感じます。ただ、だからこそ震災当時の出来事やそこから得た教訓を、自らの声で誰にでも語ってくれる方々の存在はこれからも貴重だと思いました。
現地を巡ってみて、着実に進んでいる復興を実感した一方で「当時の出来事を話せる機会が減ってしまっている」という声も聴きました。風化も始まっています。
後方支援という沿岸部ではない地域の活躍についても深く知ることができました。今回訪れた遠野市は拠点を構えるだけでなく、被災地から要請が来る前に支援物資を調達し、現地に送っていました。自然災害を乗り越えるためには、近隣地域の協力(そのための事前連携)が重要だと思いました。
最後に、ツアーを通じて現地の魅力にたくさん触れることができました。みなさん温かい方ばかりで、お話しすると自分が妙に落ち着くというか穏やかな気分になれました。ここだからこそ一度行ってみたい。また来たい。と思う理由の一つはやはり「人」ということなのでしょうか。
今回も再訪の約束をいくつかしましたので、またの機会に行ってみたいと思います。
旅費
<交通費>
新幹線往路 33,180円
新幹線復路 34,900円
レンタカー 16,280円
ガソリン代 2,240円
計 86,600円
<宿泊代>
1泊目 網元の宿 磯村(夕・朝食あり)35,200円
2泊目 Agriturismo 大森家(朝・昼食あり)8,000円
計 43,200円
<食事代>
・1日目
朝: ツアー外のため、無し
昼: 4,200円(海の市)
夕: 宿代に含まれているため、無し
・2日目
朝: 宿代に含まれているため、無し
昼: 2,542円(大船渡プラザホテル)
夕: 1,050円(ローソン)
・3日目
朝: 宿代に含まれているため、無し
昼: 宿代に含まれているため、無し
夕: ツアー外のため、無し
計 7,792円
<その他>
・気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館 入館料 1,200円(600円×2名)
・椿の里 大船渡ガイドの会 4,000円
・大船渡津波伝承館プログラム 資料代 500円
・遠野の旅の産地直売所 まちぶら 3,000円(1,500円×2名)
・お小遣い 20,000円(10,000円×2名)
計 28,700円
<合計>
交通費 86,600円
宿泊代 43,200円
食事代 7,792円
その他 28,700円
-------------------------166,292円