2日目は出発時間を1時間ほど早め、8時にホテルを出発しました。昨日ご婦人に教えていただいた安波山は標高239mの山で、駐車場からは15分程度で登れるとのことでした。
航海の安全、大漁を祈願するという由来のあるこの山は、気仙沼の人たちから親しまれているそうです。山頂からは大島も望むことができ、気仙沼の内湾の様子も一望できます。
安波山の山頂から見た気仙沼は、広範囲にわたって復興工事が進められている状態で、茶色い土がむき出しの部分が多かったです。ここから気仙沼を見ると、震災の津波が気仙沼の町全体を飲み込んだことがよく分かります。
現在進行形で復興工事が進められ、日々気仙沼の町並みも変化していくと思います。気仙沼の町の変化を知るには、安波山に登るのがいいと思います。
安波山を下山し、リアスアーク美術館へと向かいました。
開館前に着いてしまいましたが、美術館入口前にも作品があり、楽しむことができました。開館時間になり、館内へ進むと、地下1階に震災の展示がありました。
展示場は被災物などがあり、危ないので子供と手をつないでの観覧になりました。会社の同僚からは、じっくり見ると1日かかると聞いてきたのですが、子供たちが飽きてしまい、なかなかゆっくり見るのは難しかったです。
ひしゃげて半分にねじ切れてしまった車や自転車の一部。写真だけでなく、被災物が実際に展示されており、どれだけ津波の威力が凄まじかったのかが伝わってきました。
写真もたくさん展示されていましたが、子供たちの目を一番引いたのは、明治三陸大津波の被害の様子を描いた絵画でした。波に飲まれる人たちの姿を描いた絵は、写真以上に津波の怖さが伝わってきました。
リアス・アーク美術館を後にし、気仙沼シャークミュージアムへ。
ここでは、子供たちは「シャークゾーン」、私は「震災の記憶ゾーン」へと別れて行動しました。
震災の記憶ゾーンでは、震災発生から気仙沼の復興の様子が映像やパネルで展示されていました。
気仙沼の水産業の生命線とも言える魚市場は、津波で壊滅的な被害を受けました。しかし、わずか3ヶ月で再開させたそうです。海から大きな恩恵を受けてきた市民が一致団結したからこそ、短期間で市場を再開できたようです。
映像の中で、「震災を通じてたくさんの人に助けられた。」「人とのつながりを感じることができた。」「やっぱり絆だと思う。」という言葉を被災者の方々が語られていました。
この映像を見て、女川原発で展示されていた小学生の言葉とつながりました。
「私たちは失ったわけではない。」
震災は失うばかりではなく、日常ではなかなか気づけない、感謝の気持ち、人とのつながりの大切さという当たり前のことを気づかせてくれたのだと思います。
「震災の記憶ゾーン」を一通り回り、まだ少しだけ時間があったので「シャークゾーン」も観ることにしました。
シャークゾーンでは資料だけでなく、映像やサメの歯の実物が展示されており、小さい子でもとても分かりやすい展示の工夫がされていました。
シャーク・ミュージアムの次は海の市で昼食です。こちらでは息子は、旅の前から楽しみにしていた念願のイクラ丼を食べました!私はフカヒレを食べたかったので、フカヒレまんをいただきました!
昼食後は海の市から気仙沼ターミナルへ向かいます。
ターミナルへ向かう途中、かさ上げ工事中の現場を通りました。
気仙沼ターミナルは、海の市から車で5分程のところにありました。
切符売り場ではお菓子のかっぱえびせんが山のように売られているのを見つけました。不思議に思って調べてみると、フェリー乗船中にカモメに餌付けできるということでした。
無料の駐車場に駐車し、いざ乗船!!
外で海風に当たるのは寒いかなと思ったのですが(朝は雪がちらついていました)、日差しが温かく、風の冷たさはそんなに気になりませんでした。
船がとまっている間はいなかったカモメ(ウミネコ?)たちは船が動き出すと集まってきて、船を追いかけてきました。かっぱえびせんを宙に放ると上手にキャッチするカモメもいました。手からかっぱえびせんをくわえて持っていくカモメもいました。
カモメとの触れ合いのおかげで20分という乗船時間はとても楽しい時間になりました。子供たちも飽きることなく楽しんでいました。