【復興支援ツアー2018レポート】東北の魅力に触れ、復興を学ぶ旅 by orangeoor18

続いて訪れたのが、亘理アセロラ園です。亘理ではいちごも有名ですが、実は東日本で唯一アセロラを栽培している地でもあるのです。

普段食べているような海外や沖縄産の甘味系アセロラに対し、こちらのアセロラは酸味系と言われています。

特長は豊富なビタミンCです。その量はなんと、レモンの34倍。
2個食べれば、1日必要なビタミンCを摂取できるとのことです。

農家の方に実際伺ったところ、生でも食べますがアセロラを使ったお酢やジャム、ドレッシングをメインに販売しているそうです。

こちらも震災の影響を受けています。ビニールハウスが破損し、アセロラもだめになってしまいましたが、復旧し今では全国各地から注文があるそうです。

ただアセロラを育てているのはこちらの1軒のみなので、まちをあげて複数軒で果物を育てているところよりは知られる機会が少ないとのことです。

このアセロラを応援すべくジャムを購入させていただきました。
アセロラと砂糖以外は何も使っていないので安心安全。酸味と甘さ加減がちょうどよくおすすめです。

そのまま食べても、パンやヨーグルトにつけてもおいしい

亘理町から北上し、岩沼市の千年希望の丘に到着。

まちの約半分が浸水被害を受けましたが、復興のシンボルとして開園されました。
沿岸沿いに6箇所の公園に分かれているのですが、今回訪れたのは最も北にある相野釜公園です。

ここには慰霊碑、交流センター、丘があり、それぞれを徒歩で回ることができます。

震災のガレキや津波の堆積物が土台に使われている丘は震災伝承の意味も込められていますが、今後の防災にも役立てられる機能としても考えられています。

丘の頂上にあるベンチには防災用品が収納されていたり、非常時に電源となるソーラー照明もあったりと、災害時には一時避難場所としても使われています。

公園の駐車場付近には津波の爪痕が残るまちの様子を震災前と比べながら見ることができます。きれいに整備されている公園とは対照的にここだけが時が止まっているような印象です。

鉄塔の下の部分が折れてしまっている

岩沼市から今回宿泊する七ヶ浜町に移動。

宿泊するシチノリゾートに隣接している商業施設が「七ヶ浜うみの駅」です。
海鮮レストランだけでなく鮮魚、地元の加工品など取り揃えた販売所もあります。

そして、そのシチノリゾートはカフェとホテルが併設しているリゾート施設。
すぐそばにある海を部屋から眺めることができ、屋上には津波に備えた避難デッキがあります。

3日目

朝食を食べるために塩釜水産物仲卸市場に向かいました。魚市場の建物は震災の被害を受けましたがこちらの建物への影響はなかったそうで、三陸の中で比較的早くに再開された港です。

115ものお店が集まり、場内は活気であふれています。魚介の鮮度はもちろん、お店の方たちとのコミュニケーションも魅力の一つです。

一度体験してみたかったマイ海鮮丼。市場内のお店で新鮮なネタを少量ずつ購入し、食堂にあるごはんとみそ汁セットに自分で盛り付けます。

ネタはあらかじめ海鮮丼用にパックになっているものもあれば、その場でさばいてくれるお店などさまざまです。

プリプリの赤エビや肉厚のホタテ、そして日本有数の水揚げ量を誇るマグロなんかがおすすめです!

塩釜を後にし、再度七ヶ浜を訪問。ガイドの方と合流し、まちを見学しました。

七ヶ浜町は町全域の36.4%が浸水。損壊した家屋は3,929世帯にものぼります。津波の高さは最大12.1m。高台にある避難所にも到達し、ガレキや車が建物に流れ込みました。

当時の被災状況は写真には残されていますが、すでに住宅、道路などの整備が進んでおり、津波の爪痕が残る場所は少なくなってきています。

また、七ヶ浜は人口が2万人弱、東北で最も面積が小さい町ですが、ある魅力を知りました。

キーワードは「3」。
日本三景の松島、日本三大避暑地、日本で三番目に開設された歴史ある海水浴場。これらを兼ねそろえた自然豊かな観光地なのです。

ガイドさんも震災関連だけでなく、こういった町の魅力スポットも案内していただきました。