シリーズでご紹介していく「避難ルートを実際に歩いてみました」。今回は沼津の狩野川河口付近、港大橋より少し川上の西岸、住所で言うと「蛇松(じゃまつ)町」です。沼津は古い町名が残っていてすごくいいです。
嫁さんが親しくさせていただいているお店が三島からこちらへ移転したため訪ねてきました。でも娘は初めての建物を警戒し、断固として入ろうとせず。なのでわたしと付近を散歩してママが戻ってくるのを待ちます。
このシリーズの同じ沼津の原地区・千本地区編では
「千本地区から富士市五貫島まで延長20kmで整備された防潮堤の高さは、9m~17mあり、県第4次地震被害想定の最大クラスの津波3.6~5.0 mの想定高に比べて高くなっている」
とされていることをご紹介しましたが、この沼津港周辺の地区はどうなのでしょうか。見てみましょう。
津波は高い。深い浸水も想定。
上の図解でわかるとおり、岸が袋状になっている沼津港や狩野川河口付近で想定されている津波の高さは原・千本地区よりやや高くなっています。
港の中には防潮堤もありませんし、想定されている津波の高さ(赤の数字)は狩野川河口付近の堤防の高さ(黒地に白ヌキ数字)よりも高くなっているため、浸水が予想されています。それも深い浸水が。すばやく避難しないといけません。
ということで例によって避難アプリ「高台サーチ」で現在地から最も近い高台(今回は「20m以上」で設定)を検索すると…
上のような結果になりました。アプリが示している高台は橋を渡ってさらに南へ行った我入道(がにゅうどう)公園のあたりです。
当然ここまで走っている時間はないので、現実としてはやはり近辺にあるマンションなどに駆け込むことになります。
上にある図解にも津波避難ビルの位置を示す記号はありますが、実際に大きな揺れが来た時には「とにかく近くにある建物に駆け込む」。これしかありません。
ただしすべてのビルが避難ビルの要件である
・耐震性
・一定以上の面積・高さ
・スムーズな出入りができること
・原則24時間避難が可能なこと
を満たしているわけではありませんから、海沿いへ出かける場合は、よくいく街なら津波避難ビルの位置を覚えておくこと。初めて行く街なら津波避難ビルのマークを意識しておいた方が良さそうです。