桜咲く春の吹雪

大船渡市長が桜の開花宣言というニュースが流れたのは4月7日頃のこと。翌日の新聞にはしっかり写真入りで掲載されていたので、大船渡に行くたびに桜を探して回ったのだが、開花宣言の標本木は見つからず。それどころか、桜の見所として知られる土手沿いも、町に点在する桜の木も、どれもまだ固い芽の状態。しばらくすると、開花宣言はしたものの大船渡の桜の見頃はまだまだ先、なんて声も聞かれるようになった。

とはいえ遠目に見ても、枝先がほんのりピンク色に見えるくらいに膨らんだ花芽も増えて来たので、そろそろかなと大船渡の町中を探索していてついに標本木を発見した。

7日に開花してから1週間。標本木の桜はほぼ満開。三陸鉄道の線路沿いで見事に咲き誇っていた。

ところが、標本木以外の木はまだほとんど咲いていない。標本木の隣の木ですらまばらに花開いているだけ。少し離れた場所ではまだ莟。

あちこち歩いて、土手沿いの桜の木の数本が三分咲き程度なのを見つけて写真撮影。画像では分かりにくいが、遠景の山の上にはまだしっかり雪が残っていた。

この日(4月13日)、カーラジオからは「びっくり、盛岡で吹雪」といったリスナーからのメッセージが繰り返し読み上げられていたのだが、どこか遠い話のように聞いていた。山に雪が載っているくらいだし、そんなこともあるのだろうなと。沿岸部の天気はそれほど悪くはなかったから。

ところがそれから1時間もしないうちに、自分自身が吹雪に見舞われたのだった。

大船渡から水沢方面に走って行くと、途中の住田町あたりで雪が降り出した。峠道を上っていくにつれて、視界が悪くなるくらいの猛吹雪。道路のアスファルト部分こそ雪は融けているものの、路肩や道路腋はうっすら白くなっていた。

峠の上の道の駅まで来ると雪の勢いは減ってきたが、それでも写真に撮ってこれくらい写るほどの雪。

もう春がすぐそこまで来ているのは間違いない。しかし、だからといって一気に春になるものではない。春は行ったり来たりしながら少しずつやってくる。