7月18日の海の日、南三陸町歌津の長須賀つながりビーチ子ども海広場で安全祈願祭が行われた。祈願祭前数日間のビーチクリーンですっかりきれいになった砂浜に、子どもたちの歓声と潮騒、そして導師を務めてくれた山伏の祝詞の声が響き渡った。
祈願祭までにはと、つながりビーチのスタッフはビーチクリーンに力を入れてきたのだが、震災から5年が過ぎ、地元の子どもたちはクラブ活動などでなかなか参加できず、ボランティアの人数も思うようには増えなかった今年。数日前にはどうなることかと心配したくらいだったが、安全祈願祭の当日のビーチはすっかりきれいな砂浜に変身していた。
安全祈願に先立って、東日本大震災支援のために結成された「みちのく仙台ORI☆姫隊」が砂浜で歌とダンスを披露。さらに、TSUNAGARIの石田寛道さんに支援金の贈呈も。
みちのく仙台ORI☆姫隊は、みやぎ仙台のご当地アイドルグループながら、東日本大震災の被災地で幅広く支援活動を展開。東北のみならず熊本地震の被災地支援や、ネパール地震の被災地に小学校を建てるTSUNAGARIの活動をも積極的に応援している。
つづいて午後2時頃から祈願祭がスタート。砂浜につくられた祭壇の前に立ったのはなんと山伏の導師。法螺貝や鈴の音、そして肚の底からわき上がるような祝詞の声が海と空と砂浜に響く。
海の安全、ビーチへの道中の交通安全、参加者の健康と幸せ、そして東日本大震災からの復興を祈念する祝詞の声と波の音。
ビーチクリーンに参加した時には、これほど潮騒の音が響いているとは意識しなかったが、今日は違う。この浜辺の安全を願う気持ちが海と呼応しているかのようだ。
玉串奉納にはTSUNAGARIの石田さんや南三陸町の方々、ボランティア関係者に加えて、地元の高校2年生も参加。奉納に合わせて導師の法螺貝が響く。
祈願祭のクライマックスは導師と高校生たちによる「海ならし」。榊と御幣、紙吹雪、お酒を手にした高校生たちと導師が、海を鎮めるかのように行進する。
初めて目にした光景だったが、海と人の一体感が感じられる不思議な時間だった。
祈願祭が終了した後は、さっそく海へGO!
思いっきり海を楽しむ子どもたちの姿がなんともいえないくらい、いい。
さらに恒例のスイカ割りも!
長須賀つながりビーチ子ども海広場が正式オープンする7月30日に先立って、子どもたちの歓声が浜にこだました。とても素敵な安全祈願祭だった。
…と、祈願祭の無事終了を喜んでいたら空前のサプライズ!
導師をつとめた山伏さんが、「ビブスの大きいのないの?」とスタッフに声をかけて、そして装束の上からオレンジ色のTSUNAGARIのビブスを着込んだのだ。
さらに、海と祭壇をバックにポーズ!
参加した人たちみんながひとつになって、海の安全と子どもたちの未来を祈願する。人と人とのつながりの力を感じた安全祈願祭だった。