「ハグして」の動画が何度見ても泣けるワケ

iRyota25

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公開から10日で約250万回も見られた動画、「僕はイスラム教徒です。だけどみんなは僕のことをテロリストだと言います。僕はあなたたちを信じています。あなたはどうですか。信じていたらハグしてください」。何度見ても泣けるのはなぜだろう。

Blindfolded Muslim man with sign “Do you trust me?” hugs hundreds in Paris

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2015/11/16 に公開

Near mourning sight at Place de la Republique an unknown man drew much attention by blindfolding himself and putting out two signs reading “I’m a Muslim, but I’m told that I’m a terrorist” and “I trust you, do you trust me? If yes, hug me.”

動画の中に描き出された彼のメッセージは、“I’m a Muslim, but I’m told that I’m a terrorist” と “I trust you, do you trust me? If yes, hug me.”というシンプルなものだった。映像を見ているとたちまち人だかりができて、数百回のハグが交わされた。

ハグを求めた彼はスカーフで目隠しをしていた。テロが起きてからフランスの世論は一変したという。それまで空爆に反対する意見が大勢を占めていたのに、8割以上が空爆を支持している。犯行声明を出したIS(イスラム国と自称するグループ)のみならず、ムスリム(イスラム教徒)に対する反感のボルテージが高まっているのも間違いないだろう。だけど、ハグを求めた彼はスカーフで目隠しをしていたのだ。いきなり誰かに殴られたり蹴られたりする危険すらあったかもしれないのに。

彼の行動は、テロへの復讐がシリアの多くの一般人の命を奪うことを世界中に教えてくれた。攻撃が憎悪のやり取りでしかなく、終わりなき応酬につながることを教えてくれた。そして何より、私たちは、人類は、あんなに短いメッセージだけで深く理解し合えることを教えてくれた。身を挺して教えてくれた。

自分はその場にはいなかったけれど、いたらきっとハグしただろう。そう思うから、あの場にいたたくさんの人たちと一緒だ。そう思うから、あの広場にいた人たちと同じく涙が止まらない。

同じように目隠しをしてハグを求める行為は、以前から時々動画サイトに掲載されてきた。今年2月にはトロントで、3月にはストックホルムで。きっと探せばもっとたくさんあるだろう。

Muslim “terrorist” asks for hugs on the streets of Toronto

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2015/02/12 に公開

An inspiring video of strangers hugging a blindfolded Muslim on the street of Toronto goes viral on YouTube. The social experiment tries to break down barriers and spread awareness about Islamophobia in our society. Model and activist, Asoomii Jay who came up with the idea is In the Now.

Blind Muslim Trust Experiment - Stockholm

YouTube

2015/03/22 に公開

Blind Muslim Trust Experiment - Stockholm
It's all about raising awareness against racism. Don't judge people based om appearance or religious beliefs.

西側世界を中心に、イスラム国家を自分たちとは別のものとして区別するかのような動きが広がっている。イスラム教は殺人をかたく禁じているのに、なぜだろうか、イスラム教徒は恐ろしいというイメージばかりが増殖していく。

逆にムスリムの人たちの間には無理解と差別への恐怖が広がっていることが、これらの動画を見ればよく分かる。

政治家は報復を大声で宣言する。ナショナリズムが人々を高揚させる。極東の島国でもテロへの反感を政治的に利用しようとする政治家が声をあげている。

ISを擁護しているのではない。テロの連鎖、復讐の応酬は苦しみや悲しみを終わらせるものではないと申し上げている。憎悪の暗闇に覆われた世界が無限に続くことを懸念しているのだ。

報復が、ISの支配地域に暮らす多くの一般住民を殺戮することにつながることをちゃんと考えなければならない。これまで行われてきたISへの空爆で、ミサイルの標的とされて殺された人の4分の1から3分の1が民間の人たちだったことを忘れてはならない。

「断固たる対応」などと唱えることが人殺しを繰り返させるという現実を知らなければならない。

私たちは際限なき憎悪の応酬から抜け出して、平和にむけて歩いていく方法を知らないわけではないのだ。信じること、信頼していることを確認し合うこと、ハグすること。それが人と人を平和に結びつけることをムスリムの人たちは示してくれているではないか。他人同士がすぐにでも理解し合えるという人間の特質を誇りに思いたい。ハグが世界を変えていく未来に、私は暮らしていきたい。

“I’m a Muslim, but I’m told that I’m a terrorist”

“I trust you, do you trust me? If yes, hug me.”

「ハグして」の動画が何度見ても泣けるワケ、それは私たちがみんな人類だからだ。

 【関連ページ】試される人類。報復の連鎖は断ち切ることができるのか
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 【関連ページ】今ここからの手紙(2015年11月14日)人はなぜテロリストになれるのか
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