山梨県にある大菩薩嶺には毎年多くの登山者が訪れる。人気の秘密は山頂付近の素晴らしい風景に加え、東京からのアクセスの良さ、小さな子供から年配の方まで歩きやすい登山道にある。
かなり前に大菩薩嶺山頂付近を写した一枚の写真を見たことがあった。ササが広がる展望の良い稜線に爽やかさを感じ、一度は登ってみたいと思っていた山であった。
先月のシルバーウィーク、その大菩薩嶺に登り、気持ちの良い稜線を歩いてきた。
大菩薩嶺登山レポート
大菩薩嶺の山頂に至る登山ルートは複数あるが、今回は最も人気が高く、そしてコースタイムも短い上日川峠の登山口から頂上を往復するルートで登る。
上日川峠には第一から第四まで4つの駐車場があり400台以上の車を停めることができる。しかし、新緑や紅葉などのハイシーズンの週末になると、停めることができないケースも多い。
峠にはキャンプ指定地があるので、確実に車を停めたい場合は、前日の夕方あたりに現地へ行き、キャンプをして翌日に山を登るといいと思う。
指定地は林の樹木を切り開いただけのシンプルなもので、トイレは近くの公衆トイレを利用することができる。
峠には山小屋・「ロッジ長兵衛」もあり、宿泊や食事をすることができる。
上日川峠の登山口はロッジ長兵衛の横にある。山小屋・福ちゃん荘を目指して歩き始める。
福ちゃん荘までは、登山道と車も通ることができる舗装道路の2つがある。登山道は登り口(※上の写真)から20メートルほどの地点の左側に入口がある。
福ちゃん荘へ向かう登山道。舗装道路とほぼ並行するように造られている。
登山口から30分ほど歩くと福ちゃん荘に到着する。
ここから登山道は、唐松尾根を歩いて雷岩に続くコースと大菩薩峠に続くコースに別れる。いずれのルートでも大菩薩嶺の頂上に行くことができる。
唐松尾根コースは山頂までの最短ルートではあるものの、急な山道を登ることになる。反対に大菩薩峠を経由するルートは山頂までの時間が余計に1時間ほどかかるが、途中の登山道はなだらかでとても歩きやすい。
どちらのコースで山頂を目指すか考えた結果、唐松尾根コースを選択。
同コースの前半は樹林帯のなかを歩く。展望はないものの、木漏れ日に癒される。
唐松尾根コースの後半部分は展望が開け、見晴らしがよくなる。この日、富士山がとても綺麗に見えた。
福ちゃん荘から1時間ほど登ると雷岩に到着する。大菩薩嶺の頂上はここから10分ほど。
標高2,057メートルの大菩薩嶺山頂に到着!
登山口からわずか1時間半ほどの距離である。頂上は樹木に覆われているため、残念ながら眺めはいまひとつ。展望を楽しみながら昼食や休憩を取りたい場合は、雷岩がおすすめである。
雷岩に戻って休憩をする。天気が良ければ富士山や南アルプスの峰々を望むことができる絶好の展望地である。ここから見た富士の姿は、まるで絵に描いたような美しさであった。
雷岩を後にして大菩薩峠へと向かう。
この区間が今回の山行のハイライトである。ほぼ同じくらいの高さに見える雲と展望の良い開放的な稜線歩きは、さながら天上を散歩している気分になる。
後ろを振り返ると、これまた素晴らしい光景が。360度を見渡すことができる目がほしい。