次に現れるのが「北白ガレン」である。斜面の崩壊が激しく、規制のロープが張られている。
北白ガレンは愛鷹山塊の火山活動でできた大沢爆裂火口の跡とのことである。
そして最後にあるのが富士見台。山梨県の三ッ峠などと共に富士山の絶好の展望地として知られている場所である。
富士見台から見た富士山。昭和13年に発行されたという50銭紙幣の富士山の図案は、ここから撮影されたものである。
愛鷹山塊最高峰の越前岳(1504m)に到着。この日は山頂付近のみ雲がかかっていたが、晴れていれば富士市や駿河湾の眺めが素晴らしいという。
越前岳から呼子岳へと向かう。途中は林に覆われているために眺望はあまり望めない。
越前岳から1時間ほど歩くと呼子岳の山頂に着く。標高は1,310m。途中のコースは呼子岳の頂上手前に少し登りがあるものの、そのほかは下りである。
呼子岳から更に15分ほど下ると割石峠に出る。
ここから大沢へと標高を一気に下げる。
割石峠から山神社までは、沢沿いに作られたルートで歩いて楽しい区間である。特に夏は気持ちが良さそう。
ただし、割石峠と大沢の間は道を間違えやすい区間でもあるので要注意である。
越前岳山頂で、山神社からこのルートで登ってきた二人組の登山者が「途中、道を迷ってGPSを頼って登ってきた。なかったら無理だったと思う」と言っていた。
その時はいったい何に迷ったのだろうと思っていたのだが、恐らく上の写真のような沢の分岐に違いないと実際に歩きながら思った。
私は下りだったからよかったものの、登りの場合はどちらが正しいルートか迷っていた可能性があったと思う。
あくまでも参考までの話ではあるが、私が確認した限り、割石峠と大沢との区間でこのような迷いそうな沢の分岐が3ヶ所あった(※恐らく右の地形図で赤い円の箇所と思われる)。いずれの箇所も登ってきた場合は左側の沢が正しいルートとなる。
割石峠と大沢橋付近の区間には、石に塗られたペンキや木に結び付けられた赤いテープなどの目印が比較的丁寧につけられているので、間違った道を歩いていないか特に意識しながら歩いた方がいいと思う。
割石峠から大沢橋へ向かっている途中に1本の立派な杉の大木がある。根元には「大杉」と書かれた看板があるものの、なくても周囲の樹とは明らかなに異なる貫禄を感じる。
大沢に架かる橋、「大沢橋」。渓流に癒される。
大沢橋から25分ほど歩いた地点で沢を渡って対岸へ。
沢を渡ると舗装された道路となる。ここから10分ほど歩くとゴール地点の山神社に到着する。
今回は愛鷹山塊の北側に位置する越前山、呼子岳、黒岳を登ったが、南側の位牌岳や愛鷹山も眺望が素晴らしいと聞く。次はこれらの山にも登ってみたいと思う。
愛鷹山塊・越前岳
Text & Photo:sKenji