夫を失った女性たちの国際デーに考える「父の日がなくなる日」

6月23日は、夫を失った女性の苦境について考える国際デー。硬質な言葉ですが「国際寡婦の日」と呼ばれています。

2011年の6月23日、第一回目の国際寡婦の日に寄せて、オノ・ヨーコさんは、「夫を亡くした大多数の女性は、何の生活の保障もなくひどい扱いを受けている」と訴えたそうです。夫を失った女性たちの生活や、社会的な地位については、統計にも現れにくい面が多いとされ、社会から見過ごされがちです。夫を失った女性たちやこどもたちが受けている虐待、そして経済的状況などからくるさまざまな苦境は社会みんなで共有していかなければならない問題だと思います。

NHK「おはよう日本」が伝えた父の日のこと

「父の日」を控えた6月19日金曜日、NHKの朝のニュース番組がこんな特集を汲みました。タイトルは「“父の日”が消える!?」。

寡婦の日の話なのに、なぜ父の日? と怪訝に思われるかもしれませんが、ひとり親家庭のこどもたちに配慮して、父の日の行事をやめるかどうかという話です。

ニュースのストーリーとしては、まず、ひとり親の家庭が増えている状況(ニュースに登場する保育園では園児のおよそ1割とのこと)を受けて、父の日の行事が取りやめになっているという状況を紹介しています。

わかば保育園 園長
「友達の家庭とはちょっと違うと感じ取れたりすると、寂しい顔をしてたりする時もあった。
そういう表情を見ていると、本当にいい活動なのかどうか疑問。」

園では今年から、ひとり親の家庭に配慮して、父の日の行事を取りやめることを決めました。
代わりに、家族全員に感謝する日として、「父の日」と「母の日」をあわせた「ファミリーデイ」を5月末に設けました。

わかば保育園 園長
「家族のあり方がさまざまに変わってきているというところからも、父の日、母の日と活動するのではなくて、家族を大事にしていく方向でやっていきたい。」

引用元:“父の日”が消える!?|特集まるごと|NHKニュース おはよう日本

「父の日」と「母の日」をあわせた「ファミリーデイ」……。ある意味では順当な対応といえるかもしれません。

あえて父の日行事を続ける決定をする保育園も

離婚などによる“ひとり親家庭”は増加を続け、15年前に比べておよそ1.4倍になっているとこの番組は伝えます。ますます「配慮」が求められるという話かとおもいきや…

しかし、ニュースはここでがらっと方向性を変えて、父の日の行事の継続を決めた保育園の事例を紹介するのです。それも全国的に見て離婚率が高いとされる高知市の保育園での事例です。

父の日の継続を決めた園長の森本佐和(もりもと・さわ)さんです。
父親や母親がいなくても、ありのままの家庭環境を受け入れ、強く育ってほしいと考えました。

十津保育園 園長
「1人でも頑張っているお母さん、お父さんがいるということを、みんなに分かってもらいたい。
感謝の気持ちを持ってもらいたい。」

引用元:“父の日”が消える!?|特集まるごと|NHKニュース おはよう日本

続けて、息子さんから父の日のプレゼントをもらったシングルマザーの方のインタビューも紹介されます。

このNHKのニュースページはしばらく消されることはない枠なので、ぜひ全文に目を通されることをおすすめします。

今日は国連が制定した国際デー「国際寡婦の日」です。世界中で苦境に置かれている夫を失った女性やこどもたちのことを知ること、自分にできる何か行動に着手することも大切です。そして同時に、日本の社会の中で、身近なところで進んでいいるシングルマザー、シングルファーザーなど、家族のあり方の変化についても、自分の友達の問題ととして向き合うようにしていきたいと思うのです。

実際に自分の周りにもシングルマザー、シングルファーザーの知人はいました。こどもの仲良しのお家とか。大変だよなあと思う気持ちがある一方、「可愛そうだから」という感情だけでどうにもならないこともあり、まして、考えてみれば自分の家庭だって明日どうなるか分からないわけです。何が起きるかわからない世の中で、こどもと一緒にがんばっている友人たち。できることと言えば、一緒に遊びに行ったり、がんばれと小さな声で応援するくらいしかできないのが実際でした。でも友達というスタンスは悪くない距離感かもしれません。

――と、個人的な感想を書き始めるとついつい取り留めがなくなってしまいます。思うのは、「国際寡婦の日」をきっかけに、身近なシングルマザーそしてシングルファーザーのことを考えたいということです。