ツケで食べられます。すごく高い国民のツケで。
A(アー)、B(べー)、E(エー)はドイツ語読みです。
あのヒトラーを生み出した国のアルファベットの発音です。
高級割烹料理店「A.B.E.(アーベーエー)」は、一般客は入店できません。大手メディアのトップや報道局長クラスしか入店が許されていません。ですから頻繁に出入りするのは、新聞社のトップやテレビ局のトップが多いのですが、なかなか多忙なお客さまたちですから、毎日は来られません(マイニチ様はいらっしゃるようでです)。重大な決め事をする前後の前祝いとお礼のご接待によく使われるお店です。
先ほども半蔵門の方から来られた上杉様ご一行(お連れは田村様だったような)が入店を拒否されておりました。どうやら古賀様とのお打ち合わせに使いたかったようで、待ち合わせをしているらしく困っておりました。TOKYO MX(東京メトロポリタンテレビジョン)の関係者も一緒だったようですが、オーナーの特別補佐とお店の広報部長からから在京テレビキー局へ一斉に送られた「公平中立を依頼したご招待状」が、どうやらTOKYO MXに宛てて届いていないため、入店を許可されなかったようです。
上杉様については、お店のオーナーブログでも名指しで入店を拒絶したいようなことが書かれておりますので無理があったようです。つい最近桜の花の下で、ほろ酔いのオーナーが上杉様に気軽にお声掛けされている光景を目にしましたが、それとこれとは話が別のようです。
本日は今話題のこのお店に潜入して食レポします!
まずお店の名前ですが、和食の店でありながらローマ字表記(しかもドイツ語の発音)です。創業は第2次世界大戦中に、現在のオーナー(三代目)のお祖父様によって開店されたわけですが、そのお祖父様は、なんでもドイツ人のヒトラーさんと業務提携をしていたお店で修行をされた後に、独立してお店を開いたようです。
二代目のオーナーにあたるお父様の代で今のお店の名前に変え、その後現在の三代目のオーナーが引き継ぎました。お店は三代に渡り世襲でのれんを守ってきた老舗で、A級の腕前と評されたこともある創業者の意志がしっかりと受け継がれた伝統の味が評判です。
そしてこちらが気になるメニューです。
今日は、この春のオーナーのお薦めの会席料理をいただきます。旬の材料を豊富に使った、これぞクールジャパンの「お・も・て・な・し」料理、欧米列強に向けて発信出来る自慢のメニューなのだそうです。
初めての食レポですので、上手く伝えられるかどうか心配です。
食前酒・・・『逢坂・都想い(おおさか・みやこおもい)』
最近大阪で話題の「はしした酒造」のお酒です。来る5月に開催される市民による品評会で金賞を狙っている自慢の銘柄です。全国の厳選された数千粒のお米から、選りすぐりの888粒だけを厳選し、宮崎や東京の名だたる杜氏の手によって仕込まれた幻のお酒です。
これまでは濾過・熟成の工程に難があり、飲み過ぎると酔いが強く「巻き舌」になってしまい、翌日の大事な仕事に影響することがあるとの悪評もあったため、急遽厳選された原料の玄米のうち、「ナニワのえりかさま」という相当高額な品種を取り除くことでスッキリした味に改良されました。改良品は飲み過ぎた翌日でも、休むことなく仕事ができるそうです。ただ改良の仕方が他人事のようだとも言われていて、品評会での成績が相当気になっているようです。
先付 ・・・ 『まいなん葉の和物』
口にすると自然に12桁の数字が現れるという珍しい葉の『まいなん葉』をゴマカシ科のゴマで和えた前菜。日本古来の食材ではないようですが、昔から食材としての利用研究が続けられ『グリーンカード』と呼ばれていた時期もありましたが、毒性が強いとの疑いで敬遠されていました。最近日本風の『まいなん葉』という名前で呼ばれるようになって利用を決定したそうです。市販ももうすぐ始まります。
懸念されていた毒性ですが、防衛省によれば、今まで大変であった住民票の閲覧請求がスムースになり、高校3年生への入隊勧誘の事務手続きにおいて、市町村長に圧力をかけ、長い時間役所を占拠し、さらには国会で追及されたりすることが減る効果があるとして全国の自衛隊員の食事に大いに利用したいと普及を待ち望んでいるようです。普及すると卒業年度の高校生への初夏の勧誘DMの量が一気に増える効果が予想される毒性の心配はあるそうです。
椀物 ・・・ 『隠餅(いんぺい)の雑煮』
隠し味がたっぷり効いた隠餅と呼ばれる餅を秘伝のダシで煮込んだお雑煮。
杵つきの餅を使用せずに、不安定な免震装置が付いた餅つき機(大阪のメーカー製)を使用することで、いい塩梅についた餅に仕上がるようで、餅は浙江省、ん?違った、国交省から取り寄せているそうです。
ちなみに隠し味に使われている材料や秘伝のダシについては、お店の『特定機密保護』にあたるため、一般公開はしないそうです。うーん残念。
お造り・・・『原子力(はらこちから)の発電所をお造り』
常に鮮度の高い鮭とイクラを追求したお造りで、2030年を目処に増量どころかおかわり自由も視野にいれているようです。材料は現在は輸入に頼ってますが、将来は輸入に頼らず自給するために「もんじゅ」という高速養殖場を作って養殖の実験を続けていますが、なかなか上手くいかないようです。そのため養殖の実験費が膨らみ、お店の経営を圧迫する要因ともなっているようです。それでも海外へ『原子力の発電所をお造り』の輸出を目論んでいるようです。
新鮮な『お造り』を提供するため、古いモノは「廃炉」といって処分を決定したそうですが、処分の費用は料理を望んでもいないお客様の負担になるそうで、お店の腹は全く痛まないのだとか。また処分の方法が確立していないため、処分費用も高額になるようです。
焼き物・・・『イシンの塩焼き』
北海道の『ニシン』でなく、関西で水揚げされた『イシン』をちゃちゃっと塩焼きにするらしいです。赤穂の塩を使うのでしょうか?
さきほど食前酒でいただいた『逢坂・都想い』を仕入れてあげるかわりに協力してねという特殊な調理法で、バーナーではなくバーターで焦げ目をつけるのがポイントとはオーナーの談。
揚げ物・・・『核煮の安全衣揚げ』
使用済みの核煮を安全という衣で包んで揚げる最高技術の料理だそうです。国際評価機関のミシュランで認められた国のお店でしか出せない料理で、歴代のアメリカ大統領もお気に入りだとか。
揚げ油の油温管理が難しく、油断すると破裂して中の具が飛び出してしまうこともあるらしく、まるでコロッケみたいです。この料理、破裂した場合はコロッケとは比較にならないほど具の核煮が飛び散るそうで、飛び散った核煮から発生する蒸気は、人間の体にはあまり良くないようです。そのため調理場では、担当者がつききりで調理にあたるようですが、話を聞くと「結構いい加減にやってますよ」との答えがかえってきました。具が飛び散ってしまっても、余程のことが無い限りは調理場では騒がないこと、またそれを知ったお客様も外部には叫ばないことが徹底されていて、お店ではそれを「アンダーコントロール」と呼んでいるそうです。
もし仮に具の核煮が飛び散ってしまったときは、窓をあけて蒸気をお店の外に出してしまえば良いそうです。こちらは「仕出しベント」と呼ばれる禁じ手の対応策だそうですが、「仕出しベント」によって外に出された蒸気は、大気中で薄まってしまうので、あまり気にしなくて良いと思っているようです。
また飛び散った具によって汚れてしまった油を排水してはいけないため、厨房に備え付けの「シールドプラグ」で汚染をシャットアウトするのですが、構造的な問題でやたらと漏れること、たまった汚染油は廃棄物処理をしなければならないのですが、核煮廃棄物の最終処理場がないため、水と一緒に垂れ流してしまうことも多いようです。
あとからバレて文句を言われることも多いとぼやいています。海に流せば薄まると思っているそうです。
口コミによると、お店の賄いでは絶対に出ない料理だそうですが、アルバイトの店員だけには出るようです。
煮物・・・『ホウドウのずぶ煮』
材料を『じぶじぶ』と煎りつけるようにして作ることから呼ばれたといわれる石川県の郷土料理の治部煮(じぶに)とは違い、こちらは材料を『ずぶずぶ』と煮ることによって作ることから名付けられた、三代目オーナー自慢の創作料理。材料は『ホウボウ』に似た『ホウドウ』という魚を使用しています。
料理長のスガさん曰く、「コトコト煮てはダメで一気に圧力鍋を使うのがコツ」とのこと。圧力を使い短時間で仕上げることで、煮崩れもせず、余計な風味まで封じ込めることができ、逆にそれが旨さの秘訣になるそうです。料理研究家のターハラさん(朝まで生モノを扱うお店も経営)によりますとアミノ酸の作用で、「報ステ」が「報捨て」に変化し、尖った味がまろやかに変わるそうです。
こちらを利用されるお客様一番の人気メニューで、あまりにも美味しそうに食べる様子を見てお店のオーナーは、「みんな口をつぐんで食べてるね」とご満悦になり、ついつい大目に振る舞ってしまいますと微笑を浮かべておりました。「あべのみ、クスッ」って感じの笑い方でした。
『ホウドウ』の中でも『フリーランス』と呼ばれる種類だけは調理がしにくく、狙った味を出しにくいため、お店では扱わないようにしているそうです。
酢の物・・・『切り干しこが大根の酢の物』
切っては干す、切っては干すを繰り返し、酸っぱい思いをしてしんなりとなるまで切っては干すことを徹底した調理法で作る『こが大根の酢の物』。『こが大根』は霞が関産です。この料理を誰が作っているのかは、こちらも秘密。調理法も外部に証拠レシピを残さないよう口伝えで伝承されるそうです。調理長が表立って作ることはしないようですが、影で人知れず仕込んでいるとの噂も広がっています。仕込みを大切にし、人任せにしない当たり、さすがオーナーの懐刀だけあります。
『ホウドウのずぶ煮』と相性が抜群の料理です。
御食事 ・・・『やとうの抱き込みご飯』
後付・・・『ケンポウの貝盛(カイセイ)』又は『おでんこちゃんおでん』
他店の会席では絶対に見られない当店独自の会席の作法である後付こそが、実はメインディッシュだったりするのです。
まず『ケンポウの貝盛』を美味しく仕上げるために、何でも混ぜ込んで炊いてしまう『抱き込みご飯』は、具が調和しようが、反目し合おうが、炊くこと命で味なんかどうでも良いという豪快な調理法で、最近では大阪産の『やとう』が美味しそうな季節なので、抱き込んで炊いてみようと考えているようです。こちらが上手に炊けないと『ケンポウの貝盛』も美味しく盛りつけできないようです。
今後海外派遣の自衛隊員に配給されて隊員が携行する食糧(コンバット・レーション)は、この『抱き込みご飯』が最有力と言われています。
後付では『おでんこちゃんおでん』も選ぶことができるのですが、4年前に材料のおでんこちゃんが絶滅危惧種に指定され禁漁となり入荷が困難になったため、しばらくメニューから外しているそうですが、どうやら最近復活の兆しが見られるとのネット情報もあり、お店では「もう少しの辛抱です」と言っていました。
香の物・・・『徴兵漬け』
野菜なども一緒に漬け込まれたわさび漬けの『農兵漬』は静岡県三島市の名産品ですが、こちらは野菜の代わりに先付で出された『まいなん葉』が漬け込まれたわさび漬けで『徴兵漬け』といいます。
『農兵漬』で有名な静岡県の御殿場市にある陸上自衛隊東富士演習場でも、まだ誰も食べたことがないといわれる逸品です。食糧難であった戦時中の食べ物を再現した漬け物で、当時は迷惑なお届け物の代表格で、赤い紙に包んで届けられるのが一般的だったそうですが、喜んで受け取らないと怖いことになる漬け物だったそうです。
止め椀・・・『赤出し』
一般的に知られている『赤だし』とは違い、創業当時から受け継がれた『赤いもの』を一切排除した伝統の味噌汁。赤いものがあると、お店の食品偽装や特定秘密とかのマズイことが表立ってしまうようです。
果物 ・・・『あべの実のmix』
全体的に「苦味」が多いコースなので、お口直しは甘い言葉で包まれた、心地よい『あべの実のmix』を「粛々」と味わって締めとなります。
沖縄特産品のサトウキビより甘いと言われる『あべの実』をさらに甘い「二ツ矢サイダー」に漬け込んで熟成させ甘さを一層増しています。
え?「三ツ矢サイダーじゃないのか」って?いやいや「二ツ矢サイダー」ですよ。矢が1本足りませんから。
沖縄県民の台所を預かる翁長さんによると、「高いところに生息している果実で、上から見下ろされている気分になる」ため、地元沖縄では『ウエカラメーセン』と呼ばれ、相当評判が悪い果物とのことでした。「粛々」とした食べ方も沖縄県民には「承服できない」ようです。
これだけの満腹コースですが、お代金は心配いりません。すべて国民のツケで召し上がることができるのです。
以上、とっても素敵な会席料理の潜入食レポでした。
みんなでコソコソこんなもん食ってるのかっ!
確実に死ぬぞ!!