もはやニュースと言えないくらい前の話題ですが、宮城県の石巻周辺エリアで不通の状態が続いてきた石巻線の浦宿~女川間、仙石線の高城町~陸前小野間が、それぞれ今春開通します!
3月21日、石巻線が女川までの運転を再開
石巻線は東北本線の小牛田から、気仙沼線に連絡する前谷地、石巻を経由して、万石浦の沿岸を走って女川までを結ぶディーゼル列車の路線です。浦宿から女川までの1区間だけが現在まで不通のままでした。
いよいよ3月21日(土曜日・祝日)、全線開通&女川駅グランドオープンの予定!
浦宿と女川の間は路線としては2.5kmほどの距離ですが、徒歩で行くとなると、大型ダンプも走り回る被災した国道を歩き、坂を上り、さらに坂道を下ってと大変。若い人でも30分はかかります。当然、高齢の方にとっては浦宿まで歩いて列車を利用することはほとんど現実的ではありませんでした。仮設住宅に暮らす人たちの間では、買い物の不便を訴える声も聞かれました。買い物の不便って生活そのものの不便ってことなんですよね。
工事が進む女川駅の周辺には、まだ商業施設などは見当たりませんが、3月21日を女川町では「まち開き」に位置づけているのだとか。駅周辺では民間の交流施設のオープンが予定され、新駅開業の翌日22日には、駅併設の町営温泉「女川温泉ゆぽっぽ」のオープンも予定されているそうです。
3月21日の石巻線全線開通&女川駅開業は、復興に向けて大きな1歩。新しい女川が始まります。
仙台から石巻への直通運転再開は5月30日
仙石線の全線開通も土曜日です。
宮城県内一二の都市を結ぶ仙石線は、通勤、通学、観光の主要な路線でしたが、津波で大きな被害を受けた東名(とうな)駅と野蒜(のびる)駅、そしてその前後の区間を内陸に移設する工事が進められてきました。新しい町づくりとセットで工事が進められている新路線はついに5月30日に開通。これまで仙台方面から電車・代行バス・ディーゼル車と乗り継いでいた仙石線が全線開通します。
このニュースが発表されたのは1月29日のことでしたが、地元紙「石巻日日新聞」では発表当日の午後に発行された紙面のトップに記事が掲載されていました。地元の人たちの期待の大きさが伺えますね。
仙石線全通の日に合わせて、東北本線から仙石線に直通する「仙石東北ライン」(両線がごく近くを走る仙石線高城町駅と東北本線松島駅付近の連絡線を利用して直通運転を行う。仙石線は直流、東北本線は交流で電化の形式が異なるため、専用のディーゼルハイブリット車で運行)もオープン!
石巻がぐっと近くなります。そして、石巻で乗り換えての女川も。
全線開通&新駅開業で東北に出掛ける人がどんどん増えるといいですね。
そうそう、代行バスファンのみなさん、乗り納めの旅の予定もお忘れなく!
浦宿までの再開工事が進められていた2012年の石巻線の様子