2014年8月11日 今日の東電プレスリリース

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2011年9月までしか使われなかったAREVA除染装置、廃止へ。稼働期間は3カ月。導入費用は公開せず

8月11日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。

 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月11日
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[New!]今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
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AREVA除染装置の廃止計画

東京電力は11日、2011年6月14日に導入し、同年9月以降「待機状態」で使用されてこなかったフランスのAREVA除染装置を廃止すると発表した。

 AREVA除染装置の廃止計画について|東京電力 平成26年8月11日
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東京電力「AREVA除染装置の廃止計画について」より

東京電力「AREVA除染装置の廃止計画について」より

AREVA除染装置は、事故を起こした原子炉を冷却した水と地下水が混ざった高濃度滞留水からセシウムを除去する装置のひとつで、原子炉タービン建屋地下から滞留水が送られてくるプロセス主建屋に設置されていた。
同様にセシウムを除去する装置には米国のキュリオン(KURION)、東芝のサリー(SARRY)があるが、多孔質の鉱物であるゼオライトにセシウムを吸着させるこれらの装置とは異なり、水中のセシウムを薬剤によって吸着凝集・沈殿させて取り除く仕組みだった。
6月14日に稼働したAREVA除染装置は、同年9月15日に停止され、以後待機状態のままだったので、稼働期間はわずか3カ月に過ぎない。しかも故障が多く稼働率も低かったという。
廃止の理由として東京電力は、サリーやキュリオンでの単独処理が可能であることに加え、「AREVAの維持(機器の修理等)にかかる作業員の被ばくが大きい(雰囲気線量:10~100mSv/h程度)」ことをあげている。
なお、きわめて短期間しか運転されなかったAREVA除染装置の導入費用については公開しなかった。導入費用は総括原価方式で決められる電気料金に反映された可能性もある。

1号機~2号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年8月7日午前10時22分~)

3号機 ~タービン建屋地下の高濃度滞留水移送を停止

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中。
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水移送実施(平成26年6月16日午後2時42分~平成26年8月11日午前9時58分)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月11日

4号機~6号機

新規事項なし

◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動(4号機原子炉建屋および共用プール建屋の天井クレーンと燃料交換機の年次点検により、一時中断)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

地下水バイパス ~グループ2タンクの詳細分析の結果は、運用基準を充足

※1~4号機原子炉建屋等への地下水流入抑制対策として設置した地下水バイパス設備の地下水バイパス揚水井から一時貯留タンクに汲み上げていた地下水について、一時貯留タンクグループ2から採取した水[採取日8月2日]の当社および第三者機関による詳細分析結果は同等の値であり、共に運用目標値を満足していることを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月11日

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

平成26年8月10日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月11日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月11日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月11日

1~4号機タービン建屋東側

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月11日

1~4号機サブドレン観測井

新規事項なし

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月11日

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年8月11日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太

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