AED、高い設置率、低い使用率 ~AEDの使用手順について~

AEDについて

AEDについて、上級救命講習で聞いた話をご紹介します。

AEDは、停止した心臓(心停止)を再び動かすための機器だと思われがちですが、正確には心臓を止めるためのものだそうです。

心停止とは、心臓が完全に停止した状態だけのことを言うのではなく、異常な動きにより、心臓が血液を十分に送り出すことができなくなった状態のことを言います。心停止の多くは、完全に心臓が停止しているのではなく、心室細動など、心臓が異常な動きをしている場合が多いそうです。

心臓は、電気ショックなどでその動きをいったん止められても、自然と再び動き出します。この時、異常な動きをしていた心臓が、正常な動きに戻ることがあるそうです。

この心臓の性質を利用して、電気ショックをかけて、心臓をいったん止め、正常な動きに戻すのがAEDです。

そのため、心臓が完全に停止している場合などは、AEDを使用しても効果がないので、AEDは電気ショックを行いません。

AEDが心電図を解析して、電気ショックの必要がない旨の指示をだしても、胸骨圧迫を続ける必要があるのはそのためです。

ためらわず、迷わず、素早いAEDの使用を

日本は、人口当たりのAED設置台数が、世界でもトップクラスのAED大国だそうです。それにもかかわらず、AEDを十分に活用できていないケースが多いようです。
冒頭部分で紹介した記事にも書かれているように、AEDの使用により、心停止した人のうち、約4割の方が助かるそうです。

AEDは、音声メッセージにより、するべきことを全て指示してくれます。大変わかり易いので、ためらわず、迷わずAEDを使用してください。

世論調査によると、「(AEDを)使うべき状態かわからない」という理由で、使用をためらっている方も多いようです。電気ショックをするかしないかは「AEDが判断してくれます」。心配はいりません。まずはAEDの箱を開けてみてください。

それでも、不安だという方もいるかもしれません。そのような方は、消防本部や赤十字などで、実機を使ったAED講習が開催されているので、受講されると自信を持って、AEDを使用できると思いますよ。

参考WEBサイト

Text:sKenji