2014年2月11日 今日の東電プレスリリース

震災から2年11カ月となる2014年2月11日に東京電力が公表した「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」をチェックします。

厳冬期の福島第一原子力発電所では、凍結が原因とされる水漏れインシデントが続発しています。寒い地域で屋外配管が凍結するのは当然の現象です。震災から3度目の冬なのに、どうしてこれほど凍結による水漏れが続発するのか、説明が求められます。

冒頭特記事項

本日の水漏れインシデントは汚染水ではなく飲料水でした。

※2月11日午前11時25分頃、免震重要棟南側にある免震棟へ飲料水を送る配管の凍結防止用配管に設置している小弁より飲料水が漏れていることを当社社員が発見。午後0時35分頃、当該弁の交換を実施し漏えいは停止。漏えいの原因は、当該弁を閉運用としていたため、凍結により破損し漏えいが発生したと推定。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

混ざり物の有無や量で凍りやすさに違いはあっても、屋外配管や設備の凍結による漏洩の危険性は「どんな水に対しても」起こりえます。高濃度汚染水漏洩の危険がつねに存在することを忘れてはなりません。

また、飲料水は原発の収束に向けて日々作業を行っている人たちの重要なライフラインです。まして免震棟は非常時のベースとなる場所。その他の配管などのチェック、対策も欠かせません。

1号機~6号機

昨日の記載内容からの新規事項(アンダーライン表示)はありません。

1号機では、

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

との処置がとられ、2号機3号機も同様です。加えて2,3号機ではタービン建屋からバケツリレー方式で集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水の移送が続けられています。

4号機では使用済燃料プールから共用プールへの燃料移動が続けられているという記載ですが詳細は公表されていません。

5号機6号機は「冷温停止中」で「使用済燃料プール冷却浄化系運転中」とのこと。

共用プールと水処理設備および貯蔵設備の状況

新規事項の記載はありません。

H4エリアタンクおよび周辺排水路の状況

最新のパトロール結果とサンプリングのみ新規事項としてアンダーライン表記。
本日分では「凍結」「積雪」の影響についての記載も行われています。

※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視、および詳細な調査を継続実施中。

<最新のパトロール結果>
平成26年2月10日のパトロールにおいて、目視点検により漏えい等がないこと(降雪や凍結により漏えい確認ができない箇所を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺および地下水バイパス揚水井No.5~12のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。なお、平成26年2月10日採取の福島第一南放水口付近および2月9日採取のH4エリア周辺については、積雪による影響のため採取できていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

1~4号機タービン建屋東側の状況

ここでも積雪の影響が。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。なお、平成26年2月9日採取の護岸地下水および海水については、積雪による影響のため採取できていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

地下貯水槽の状況

前日、サンプルを取れなかった地下水槽ですが、本日分ではサンプリング実績が下記のように記されています。

<最新のサンプリング実績>
前回(2月8日)採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年2月11日分の変更箇所についてピックアップしました。
構成●井上良太