とても気になる東北の復興支援プロジェクトを見つけました。
その名は”100のツリーハウス”
コピーライター、エッセイストなど幅広く活動されている糸井重里氏が「ツリーハウスを東北に100作ってみよう」と呼びかけて始まったプロジェクトです。
このプロジェクトを知るきっかけとなった河北新報社11月2日付の記事です。
樹木の上に建てる家屋「ツリーハウス」を三陸沿岸などに100棟整備するプロジェクトの開始式が1日、ハウスの建設予定地の一つとなる宮城県気仙沼市の市有林であった。
発案者でコピーライターの糸井重里さんや市の担当者らが出席。テープカットして祝った。糸井さんは「東日本大震災から2年半以上が過ぎ、大勢で面白いことをやる時期が来た。100のツリーハウスを巡ることが、21世紀のお遍路さんになればいい」とあいさつした。
計画によると、今月上旬にも同市西部の徳仙丈山(711メートル)の散策路周辺で、ツリーハウス2棟の建設に着手する。廃校の材木などを活用し、約1カ月で完成させる。ツリーハウスは1棟約16平方メートルの小屋で、太い幹を基礎に高さ4~6メートルに建設される。散策中に休んだり、子どもの遊び場としたりするなど、レクリエーションや観光に活用する。気仙沼市以外の三陸沿岸市町での建設も計画している。
発案者の糸井氏さんの言葉が下記に書かれています。
「ツリーハウス」その名の通り木の上に作られた家。
子供の頃に一度は憧れたという人もいるかもしれません。私も子供の頃に憧れ、いつかツリーハウスを作ってみたいと今も思っています。
昔、「トムソーヤの冒険」というアニメがありました。アメリカの小説家・マーク・トウェインが1876年に発表した小説をアニメ化したものです。主人公・トムの友人、ハックルベリー・フィンが住んでいたのがツリーハウスでした。「木の上の家」への憧れは、そのアニメの影響が大きかったと思います。
13年前、アジアを旅行していた時のことでした。トルコのアンタルヤという地中海沿いの美しい街に滞在していると、バスで2、3時間ほどの場所にオリンポスという村があり、そこに「ツリーハウス」の安宿があることを知りました。話を聞いた瞬間にオリンポスに行きたいと思いました。ローカルバスを乗り継いで行かなければならない不便な場所でしたが、そのことを億劫には感じず、むしろ道中、心が躍っていました。ツリーハウスは、何もない一見へんぴな場所にありましたが、そこで過ごしたひとときは、私にとってかけがえのない思い出となっています。
私以外にも同じような思いを持ち、ツリーハウス目当てで東北に行ってみたいと思う人もいるかもしれません。また、大人以上に子供たちにとっては、まさに夢の体験となるのでないでしょうか。
少し異色の復興支援と思われるかもしれませんが、「100のツリーハウス」、とても素敵なプロジェクトだと思います。
徳仙丈山
一般社団法人東北ツリーハウス観光協会により、ツリーハウスを建築中。
Text:sKenji