息子へ。被災地からの手紙(2013年8月12日)

岩手県大船渡市盛

ずっと会いたかった人についに会えた。

とっぷりと暮れた夜の盛駅。
BRTのバスが専用レーンの闇の中にテールランプの残像を曳いていく。

彼は忙しかった。ほんとは10日に会う予定だったが、彼は福島から戻れなかった。
11日には仕事に加えて気仙沼の祭りに呼び出されていた。父さんも、この両日は南三陸にいたり、石巻に行ったりで、うまく時間を合わせることができなかった。

月遅れのお盆前。各地でお祭りが繰り広げられているタイミング。
最悪、今回は会えないかもしれないと考え始めていた時、電話が通じた。

そして、夜の盛駅前のロータリーで会った。

会ってまず握手した。
分厚くて、柔らかくて、とにかくでかい手だった。

時節の挨拶も自己紹介も抜きに、すぐに本題に入った。
質問しなくても、父さんが聞きたいことを話してくれた。

そして、いつものように、東北ですごいヤツに会うたびにいつも思うこと、

「何がこの人を突き動かしているのか?」

その疑問が心に浮かんだ。

父さんも成長したのかな。ロシナンテスで、陸前高田のお祭りで、大曲の獅子舞で、
同じように感じた疑問を言葉にして、質問として投げかけて、
結局、言葉としての答えを得られなかった出来事から。

「新沼さん、どうしてあなたがそこまでやるのか、その理由はね、あなたと付き合っていく中で、俺なりに探させてもらいますね。」

笑顔の新沼暁之ともう一度握手した。そうそう、お前からの支援金、もちろん忘れず手渡したよ。
新沼さんはね、「おぉ、そういうことですか!」って、すっごく喜んでたよ。
お前のお小遣いが、東北に明かりを灯す一助となる。
よかったね!