パワハラで顔面麻痺になった社員 【素敵なラブホ事情7】

 数年前、僕はラブホテルと呼ばれるレジャー施設で清掃のバイトをしていました。ラブホの職場環境は「面白いと思えば面白い、特殊と思えば特殊、普通と思えば普通」という何とも不思議な感覚があります。このシリーズ?では謎の多いラブホテルの舞台裏に少しずつ迫っていきたいと思います(脇汗)。

泣く子も黙るM副店長の恐ろしさ

僕が働いていたホテルの別支店で副店長を務めるMさんという30代女性がいました。Mさんはとても可愛らしくて美人なのですが、性悪女としてあらゆる従業員に恐れられていました。Mさんは別支店の従業員なので普段は会うことはありませんが、週1日くらいの割合で本店に研修に来るので一緒に働くことがあります。

性格が明るい人で掃除がとても上手いのですが、一つ困ったことがあります。それは僕が勤めていた本店のN店長と愛人関係にあったからです。少しでも気に入らない人がいると、「あの従業員はろくでもない人間です」とN店長に告げ口されてしまうので、本店の従業員に嫌がられていました。

M氏のパワハラで顔面麻痺を起こして入院したTさん

Mさんは本店のスタッフには優しいのですが、支店で働く自分の部下には滅法厳しいことで有名でした。あるとき、本店にいたTさんという社員が支店に移動することになりました。Tさんはたまに本店に戻ってくると「Mさんが怖い…仕事が辛い…」とずっと嘆いていました。とにかく人使いが荒いらしく、休憩なしの24時間体制で働かされるらしいのです。

Mさんは主婦業が忙しいという理由で自宅に帰ってしまうことが多く、実質的なホテルの管理をTさんに任せていたそうです。Tさんは夕方から朝方まで部屋の管理とフロントの受付業務を1人でこなしていました。MさんはTさんが少しでもミスをすると烈火のごとく怒り出し、1時間以上説教されることは日常茶飯事だったそうです。

深夜に仮眠を取りながら激務に耐えていたTさんは度重なるストレスで心身を壊し、最後は顔面麻痺を起こして入院してしまいました。Tさんが入院した後、本店のフロントにある連絡板に1枚の張り紙がありました。『Tさんが原因不明の顔面麻痺で入院してしまいました。みんなでお見舞いに行きましょう。Mより』顔面麻痺の原因が自分であることに気づかないMさん・・・。あるいは責任を逃れるために予防線を張ったのでしょうか・・・?

会話が好きなMさんに対抗策を打ってみた

本店に研修に来るMさんと、たまに部屋の掃除に入ることがありました。Mさんは気さくな性格なので掃除中によく話しかけてきます。しかし、僕は不器用なので掃除中に会話をされるとミスが多くなってしまいます。自然な形で会話を防ぐ方法を考えてみた結果、CS放送のアダルトチャンネルを付ける案を思いつきました。

Mさんが話しかけてくると、TVのチャンネルをCSのアダルト放送に切り替えます。「あんっ!あんっ!あんっ!」というAV嬢の喘ぎ声が部屋に響き渡ると、Mさんは絶対に話しかけてきません。女性なので恥ずかしがっていたのかもしれませんね。