三重県某島、”島民の足”に見る”大らかさ”【旅レポ】

地図を必死で読む観光客

 三重県某島にて下船した。初めて降りる島。下船したものの、地図と風景を照らし合わせて「ここはどこ、どこへ行こう、方角は・・・」と考える。『話を聞かない男 地図が読めない女』なんて本もあったが、僕は男のくせに地図を読むのが得意ではない。読み間違えることはほとんどない。島はよほど大きな島でもない限り、基本的には道は1~2本、集落を除けば分岐することもほとんどないから当然と言えば当然だ。それでも得意でない僕は、最初に位置関係を把握しようとしてか、港を降りると地図をすぐに読み込んでしまう。ぼーっとしていると、港には自分以外に誰もいなくなってしまうことも。 滞在時間が限られた島では、確認のため、答え合わせをすることもある。島の人に声を掛けて、道を確認するのだ。

「すみません。ちょっと良いですか。」都会と違い、島の人はほとんどがその島のベテラン。聞けばだいたい快く応じてくれる。島には駐在所こそあるようだが、島民はみな顔見知りと言えそうな島。僕みたいな重たい荷物を背負っている姿はどこからどう見ても観光客であり、良くも悪くも浮いているのだろうか、島の人から声を掛けてくることもしばしばあるほどだ。

大らかすぎる島の人たち

 そうしていつものように道を聴いていると、その脇を原付のスクーターがびゅん。見ると・・・エプロン姿のお母さん。・・・と、小学生くらい?の娘さん、息子さん(!)。すごい、まさかの●人乗り。

「おおおおおお」つい見とれてしまった。いやいや、見とれてていいのか。

「あ、○○さんこんにちはー!」顔見知りのようだ。まぁそりゃあそうか。しかしこれは恐れ入った。確かに「こんなのは珍しくない」と聴いていた。いやそれしたって、同じような島・・・例えば伊豆諸島なんかでは見られない光景だ。まぁ3輪のスクーターだし、まず転倒することもないか。いや、そういう問題では・・・(笑)。

 と、思ったら今度は80くらいのおばあちゃん。またしてもスクーターを乗りこなし、鮮やかに、そして爽やかに横切っていった。僕が道を聴いた奥さんも、やはり会釈をしている。しかし、何かがおかしい。そう、今度はノー●ルだ。た、たしかに3輪のスクーターなら転倒することも無いだろうし、車の少ない島内なら別に・・・いやいやいやいや!!あっ、今度は別のおじいちゃんが!!ぶーん。 たしかにこの島、車で行き来するほどの大きな道はないが、島の面積はやや広い。とは言え、島であるから坂も多く、自転車だとシンドイ。結果的にスクーターが一番効率的な乗り物であるのはうなずける。まさに原付は打ってつけの”島民の足”なのだ。・・・それにしても、驚くほどに自由だ。見ている分には面白いのだが・・・。

 すると、僕が道を聴いていた奥さんも、それを察したようで、「ふふふ。こんなの島じゃ普通よー。大らかな島なんだから。」

ですよねー。「ここの人はね、ノー●ル、ノーブ●、ノーテンキなの。」

・・・・・!!! 思わず笑ってしまった。なんだその言い回しは!音楽好きな人がたまに「ノーミュージック、ノーライフ」とか言ったりするが、これは、それとは確実に違う種類の「ノー」!!!

 いやはや、良し悪しは別にして、たしかに大らかな風土だ。港の前で地図を広げて「えーっと、うーんと」などと細々考えている自分が急にちっぽけに感じた。