【U-23日本代表】日本VSメキシコ ・・・屈辱の完敗!フィジカルコンディションに負けた日本 《ロンドン五輪》

ロンドンオリンピック開催日に先立ち、男子サッカーの試合が始まりました。今回は8月7日に行われた関塚ジャパンの準決勝。日本VSメキシコの試合を振り返ってみたいと思います!

ゲーム序盤、調子がよかった日本だが・・・

勝てば銀メダル以上が確定する大一番。日本は1968年メキシコオリンピック以来、44年振りのメダル獲得をかけてこの試合に挑みます。対するメキシコは44年前に銅メダルをかけて戦った相手。当時、釜本邦茂らの活躍で勝利を収めましたが、メキシコは雪辱を晴らすためにリベンジをかけてきます。メキシコのフォーメーションは4-3-3。前線に構える3人のFW、ファビアン、ペラルタ、ドス・サントスを中心とした攻撃力は強烈で、特にイングランド・プレミアリーグのトットナムで活躍するドス・サントスは破壊的なドリブル突破と高い決定力で得点を重ねており、日本にとっては要注意人物です。

一方の日本は怪我で出場が危ぶまれていた永井を先発に起用、レギュラーメンバーを揃えてこの試合に挑みました。ゲーム序盤、日本は前線から激しいプレッシングをかけると高い位置でボールを奪い、両サイドから積極的に攻撃をしかけてメキシコのディフェンスを揺さぶります。前半12分、日本は左サイドから速いパス回しでDFを翻弄すると東が中央の大津に絶妙のパス。ディフェンスがサイドに集中したことで中央にスペースが空き、シュートコースが生まれました。その隙を見逃さなかった大津が思い切りよくミドルシュート、ジャストミートしたボールはゴール右隅に突き刺ささって先制点をゲット。幸先のいいスタートを切りました。

運動量が落ちた日本、プレスが機能せず試合巧者のメキシコに1-3の逆転負け

先取点でペースを掴むかに見えた日本ですが勢いに乗ることができません。前半31分、右からのコーナーキックをドス・サントスが蹴ると、ニアサイドでエリンケスが競り勝ってわずかに軌道を変えて中央に入れます。このボールをファビアンが頭で合わせてメキシコの同点ゴール。日本は今大会で初の失点を喫します。「初めて失点したことで、チーム全体が動揺した」というGK権田の言葉通り、日本はここからリズムを崩します。後半に入ると明らかに運動量が落ちた日本。前線からのプレスが利かなくなり、メキシコにボールを支配され始めます。

トップから最終ラインのゾーンが間延びしてしまい、バイタルエリアに攻撃のスペースを与えてしまいます。選手同士が孤立してしまうことで数的不利を作られていました。後半20分、GK権田のスローをゴール前で受けた扇原がパスの出し所を探していると、FWペラルタにタックルされてボールを奪われます。ペラルタはそのままゴール左隅を狙ってシュート、意表をつかれた権田はこのボールに反応できずメキシコに逆転の2点目を許します。攻めるしかなくなった日本は強引に前に出ていきますが、焦りを見せ始めた選手は中盤で落ち着いてパスを繋ぐことができずにミスを連発。

試合巧者のメキシコは高い技術と組織力から速いパス回しでゲームを支配します。試合終盤、関塚監督はFWに杉本、MFに宇佐美と齋藤を相次いで投入。ディフェンスを減らして攻撃の人数を増やしますが、中盤の人数が減ったことで逆にボールが繋がらなくなってしまいます。中盤にスペースが空いてしまったことでメキシコにカウンターのチャンスを与えてしまい、ロスタイムに自陣の右サイドをペラルタとのワンツーで突破してきたコルテスに決定的な3点目を奪われて勝負あり。日本はメダル獲得寸前でその夢を絶たれてしまいました。

運動量で勝負してきた日本、敵はメキシコではなくコンディションだった

日本は前線からの速いチェックと中盤でのゾーンプレスでボールを奪い、鋭いカウンターから得点を奪って勝ち残ってきました。先行逃げ切り型という日本独自の戦術を可能にしていたのは『世界一走るチーム』と言われた凄まじい運動量です。中2日という厳しいスケジュールの中で行われている今大会。試合後、選手達は口を揃えて「体が思うように動かなかった」と話しています。エジプト戦のように運動量を最後まで保つことができれば、結果は違っていたでしょう。

メキシコは試合巧者でパス回しが上手く、なかなか隙を与えてくれませんでしたが、日本の運動量が最後まで落ちなければ失点する可能性は低かったはずです。日本にとって最大の敵はメキシコではなくフィジカルコンディションでした。

本調子ではない永井を先発フル出場させてしまった弊害

エジプト戦で負傷退場した永井を強引に先発させたのはなぜでしょうか。当初、メキシコ戦への出場は微妙な状況でしたが、この日になって膝が曲がったことで強行出場させた関塚監督。その狙いは『永井』というネームバリューで相手に無言のプレッシャーを与えるためだと思われます。

予選リーグから攻守の起点となっていた永井は、守備では前線からの激しいチェックでディフェンスのミスを誘い、攻撃では抜群のスピードを生かしてカウンター攻撃の起点となっていました。彼がスタメンに名を連ねるだけで相手にプレッシャーがかかることを計算に入れていたと思います。しかし、この試合では永井本来の姿とは程遠い内容でした。運動量とスピードは格段に落ちていたし、ドリブルに入ったときキレもいま一つ。関塚監督は永井を信じて最後まで使い続けましたが、運動量を上げるためにも早い時間に永井を諦めてもよかったように思えます。

3位決定戦ではコンディション優先での選手起用を

日本は準決勝に敗れたことで3位決定戦に回り、銅メダルをかけて韓国と戦うことになりました。『堅守速攻』『先行逃げ切り型』のプレースタイルをキープするにはチーム全体の運動量を上げることが必要です。メダルをかけた最終決戦ということで慎重な采配になり、メンバーを変えにくい状況だと思いますが、サブメンバーでコンディションの高い選手を優先的に起用するのも一つの策だと思います。

途中交代で出場したMF宇佐美は試合を重ねるごとにコンディションが上がっています。この試合では左サイドから中央に向かってドリブルで切れ込み、1人で3~4人のDFを振り切っていました。キープ力と突破力に優れる宇佐美を韓国戦で先発起用しても面白いと思います。

問題はFWですが、永井に代わる1トップが見当たらないのが現状です。これまでは大津を代わりに起用していましたが、彼はボールを持ってからの突破力が持ち味の選手。サイドアタッカーが本職であり、カウンター狙いの1トップには向かないように見えます。前線で起点を作るための策として、高さとスピードを兼ね備えた杉本を先発起用することも視野に入れるべきでしょう。

総括

3位決定戦はアジア最大のライバルである韓国との一戦です。勝って銅メダルを国に持ち帰れば兵役が免除されるという韓国代表。長期に渡る兵役は移籍問題にマイナスな影響を与えるため、選手は何としても免れたい思いでしょう。韓国は相当高いモチベーションで挑んでくると思います。日本はこれまでの戦いが奇跡だったと言われないためにも、銅メダルを持ち帰ってオリンピックでの躍進を形として残してたいはずです。シビアな戦いになると思いますが、日本の奮起に期待したいところです!

関連リンク

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