【U-23代表・選手名鑑】 齋藤学・・・インサイドを切り裂くドリブラー

いよいよ、ロンドンオリンピックの開催日が近づいてきましたね。夏季オリンピックとしては第30回目となる記念の大会です。各国の代表選手がどのような活躍を見せるのか、想像するだけでも楽しいですね!今大会で注目度の高い選手を紹介するこの企画。今回は日本男子サッカー五輪代表、関塚ジャパンの齋藤学選手をクローズアップしたいと思います。

【齋藤学】 さいとう・まなぶ

国籍:日本
生年月日:1990年4月4日(22歳)
出身地:神奈川県
身長:169cm
体重:64kg
在籍チーム:横浜F・マリノス
ポジション:FW
背番号:11

和製メッシと呼ばれるプレースタイル

齋藤選手の最大の特徴はドリブル突破です。そのプレースタイルは和製メッシと表現されるほど破壊力の高いものがあります。U-23代表の中でも一、二を争うスピードを持っていますが、ディフェンスラインとの駆け引きから裏に飛び出してシュートを狙うタイプではなく、ボールを保持してからドリブルで仕掛けることで真価を発揮する選手です。

同じドリブラーである大津選手とは違い、強靭なフィジカルを生かして強引に前に突破するタイプではなく、そのボール扱いは非常に繊細です。ディフェンダーとマッチアップすると柔らかなボールタッチで間合いを計り、多彩なキックフェイントでディフェンスのタックルを誘うと、一瞬のスピードとクイックネスで相手の体重移動の逆をついてかわします。

僅かなスペースをこじ開けるドリブル

ペナルティエリア付近はディフェンスが集中している為にスペースが少なく、最もプレッシャーの強いエリアです。スピードとテクニックに優れた選手でもこのエリアを個人で突破することは容易ではありません。齋藤選手の強みはプレッシャーの激しいエリアにもあえてドリブルを仕掛けていける技術力の高さです。バイタルエリアに十分な攻撃のスペースがなくてもドリブルで持ち込み、ディフェンダーに囲まれても驚異的なキープ力でボールを保持します。

そしてディフェンスの裏に僅かなスペースを見つけると、守備陣の網の目をすり抜けるようにドリブル開始。足元に吸い付くようなボールタッチと、深く鋭い切り返しで次々とディフェンスを抜き去ります。そして、2、3人ディフェンダーを引き連れたまま一気にシュートを放つのです。

試合の流れを変えるキープレーヤー

齋藤選手は試合終盤にゲームの流れを変えるスーパーサブとしての役割を期待されています。チーム内には同じドリブラータイプとして永井選手や大津選手もいますが、彼らは縦に速いドリブルを得意とするウイングタイプのプレーヤーです。齋藤選手はアウトからインサイドに向かってゴール前に切れ込んでくるスタイルです。そういったペナルティエリア内で強さを発揮するドリブラーは少ないので、相手ディフェンスにとっては脅威となるでしょう。

U-23代表は中盤でゲームのペースを変えたり、アクセントを付けられる司令塔タイプのパサーが不在です。その為にゲーム展開の変化が乏しく、守りやすいチームだと言われています。攻撃に変化を付けられる唯一のポイントはドリブル突破による仕掛けです。齋藤選手は試合終盤でチームのリズムを変えるキープレーヤーだと言えるでしょう。

総括

当初、関塚監督はスーパーサブの役割を宮市亮選手に期待していたと思われます。しかし、所属チームのアーセナルとの交渉が難航し、代表への召集は実現されませんでした。それだけに齋藤選手にかかる仕事の負担は、より大きなものになったと思います。ドリブルで強豪国を切り裂く齋藤選手の躍動する姿に期待します!

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