青ヶ島 - 一度は行きたい!崖に囲まれた国内最小の自治体(東京・伊豆諸島)

秘境感はたっぷり

 断崖絶壁に覆われた伊豆諸島南端。八丈島からさらに南に位置する青ヶ島です。島の外観だけを見ると、周囲はまさに断崖絶壁。あまりにも斜面が急なため、「本当にここで人々が暮らしているの?」といった雰囲気があります。 実際、人口は少なく、2012年時点で195人。東京都青ヶ島村、日本で最も人口が少ない自治体です。火山島であり、大昔は噴火を繰り返したそうな。その結果、島の形は非常に独特で、カルデラ※と呼ばれるそれは、まるで山のてっぺんからドーナツをくりぬいたかのよう。それだけに秘境感はたっぷり。一度は訪れてみたいという人も多い青ヶ島です。

 それにしても印象的なのは、絶海の孤島と呼ぶにふさわしいほどの辺鄙な場所に位置していながら、島の人々も観光客も、そんな環境を肯定的に捉えて楽しんでいる点。島を歩いていると不便なりの知恵がちらほら見えてくるはずです。

 更に特筆すべきはその到達難易度の高さ。訪れるためには断崖絶壁の島からちょこっと出ている桟橋に船を停めなければなりませんが、これがなかなか難しい。欠航や条件付き出港も多く、せっかく青ヶ島の目の前まで来たのに、そのまま折り返して八丈島に戻ってしまうことも。船の就航率は50~60%。これは年間通じての数字で、時期によってはさらに低いことも。日曜を除く週6便の運航ですが、本当にたどり着く割合は2日に1度。なかなかキビシイのです。しかし、ヘリがあります。ヘリならほぼ確実です。定員8名ですが。※カルデラ・・・火山活動によってできた凹地のこと。

青ヶ島の見どころ

景色を楽しむ

上空、夜空

島へのアクセスは船かヘリ。当然島を外から眺めつつ、上陸をするのですが、ヘリは一度は乗ってみたいところ。不思議な地形のその島をヘリの上から写真に納めてみてはいかがでしょうか。夜はそんな島から空を見上げてみましょう。無限の星空は別名「天然プラネタリウム」。「星の箱舟・青ヶ島」(青ヶ島村公式HP内)

尾山展望公園 (場所)

ヘリポート近く、伊豆諸島最南端の青ヶ島から360度太平洋を見渡すことが出来ます。「360度、空と海で視界がいっぱいになる」なんて島ならでは!特に、島自体が小さく、周囲は絶壁、人口も少ない青ヶ島で見渡す景色は贅沢そのもの。昼も夜も景色を独り占め。

東台所神社 (場所)

ヒガシダイドコロ・・・ではなく「とうだいしょ神社」。ここでは失恋の腹いせに島民7人を殺傷した挙句自殺した浅之助の霊を鎮めるために建立された・・・と、観光パンフレットに書かれています。これだけ読めば、浅之助はただの狂った殺人鬼に見えますが・・・、ちょっと悲しいエピソードがあるご様子。島を訪れた際は調べてみても良いかも知れません。

池之沢噴気孔群 (場所)

天明の大噴火(1783年)と言えば浅間山が有名ですが、青ヶ島でも噴火がありました。池の沢地区は、その噴火が起こるまでは名前の通り池があった場所。集落からの行き来するにはやや歩くことになるが、自然に囲まれた山道を行くのも悪くないかも。このあたりの景色は見もので、なんとも不思議な形をした地形が印象的。むき出しになった赤土が目立ち始め、その山のあちこちに穴があり、そこから蒸気が噴き出しています。電気の無い時代にはこの噴気孔群が大いに活躍したそうですが、かつての島民は毎日集落からここまで通っていたのでしょうか。

青ヶ島ふれあいサウナ (場所)

お隣の八丈島同様、火山の地熱に恵まれた青ヶ島。地熱サウナ風呂にはジャグジーや、シャワーも完備されてあり、天然の癒しスポットとなっています。また、施設横には誰もが自由に使用可能な地熱釜(ひんぎゃ)が備え付けられており、島民たちの台所の一部として、その役割を果たしています。中を覗くと野菜や卵が蒸されているかも!?※ 地熱釜に関する記事です。 卵と塩と同じように

池の沢キャンプ場 (場所)

島唯一のキャンプ場です。サウナの近くにあります。村役場に届け出をすると無料で使えます。貸し出し備品は無いので持参になりますが、せっかく訪れた秘境、どうせならキャンプ場に泊まってとことん野性的に過ごしてみても良いかも知れません。晴れた日は夜空にも期待できるかも。しかしながら、平坦な道もほぼ無く、起伏だらけの青ヶ島。役場からキャンプ場までの道のりは意外と時間がかかるので・・・頑張りましょう(笑)。トイレや水道は有りますが、飲み水は無いので注意。

オオタニワタリ群生地 (場所)

日本ではあまり見かけない、大きめサイズのいかにも南国っぽいシダ植物。島では無数に育っていますが、多く目立つのがこの場所。3~5月は芽吹く季節で、鮮やかな緑でいっぱいになります。

恋ヶ奥 (場所)

池の沢地区はその歴史から溶岩石が多く、農地にも不向き。こういった場所を島の人たちは「とうら」と呼び、人々もあまり立ち入ることはありません。恋ヶ奥もそんな手つかずの自然が多く残る「とうら」です。まるで異世界。ジャングルさながらの雰囲気があり、多くの伝説があったりします。樹齢230年を超す木々が出迎えるその場所は、島ではパワースポットと呼ばれています。

青ヶ島のいろいろ

名 称青ヶ島(あおがしま)

所在地

(地図)

面 積5.97㎢

周 囲

9.4km

遊 び

キャンプ、トレッキング、海水浴、釣り

食べる

黒毛和牛、パッションフルーツ、きゅうり、かぶつ、あしたば、エベズ、ニガタケ、ノダケ、自然薯、唐辛子、かんも(さつまいも)、タラの芽、ノビル、ツワブキ、ヌクタチ、クジラヨ(テンジクイサキ)、岩のり、はんばのり、シボウサキ、セノカミ、ヒラミ、かんべぇめ(ウツボの一種)

郷土料理

島鍋(島に芽吹いた草を食んで育った地鶏を使用した鍋。ガラまですべて使い切る無駄のないご馳走で、味付けは醤油と砂糖の甘辛。野菜はあしたばなど使用し、シメはうどんや雑炊で。) かんも汁(さつまいも)、芋汁(さといも)、その他いろいろ

変わりモノ

鬼辛(青、赤)、(○○さん風味)島だれ(島在住の奥さん手製のたれ。刺身などに掛ける。醤油ベースでみそや唐辛子が含まれるが、奥さんによって味付けや配合が若干異なる)

お土産に

島焼酎「青酎」(芋)各種、ひんぎゃの塩(ドロップ、石鹸、クッキー)※ お土産に関する記事です。【島イベント】何でも作って地産地消!日本一小規模な自治体のパワフル生産力!【島じまん2012】(青ヶ島)